代わり映えがしない対決と言われ、最後まで盛り上がらなかった民進党代表選。1日臨時党大会で前原誠司元外相が大差をつけて新代表に選ばれたが、その座を争った枝野幸男元官房長官との違いがことさら強調されたのは野党共闘へのスタンスだ。前原氏は消極的とみられがちだが、そう断定するのは早計だ。意外にも、前原の背後には、自由党の小沢一郎共同代表の「影」が見え隠れする。

 次期総選挙に関して「4野党(民進・共産・自由・社民)が協力して候補者調整を行う」とした6月の4党合意。前原氏はこの合意を見直す考えのため、ネット上では新代表誕生の途端、「共産党との連携はなくなり、自民党の補完勢力になるってことですね」「野党共闘が終わりました」などの意見が飛び交っているが、ちょっと待ってほしい。何も前原氏は、野党共闘を否定しているわけではないのだ。

 昨年11月の日刊ゲンダイのインタビューでも「協力できるところとできないところを徹底的に詰める前向きな議論があっていい」と話していた。代表選を取材したジャーナリストの横田一氏が言う。
 
 共産との協力に慎重な議員は、見直しを訴えた前原さんが当選して、当面の離党はなくなった。野党共闘積極派も含めて、様子を見ようということになって、分裂は避けられたのです。見直しの結果、前原さんは小沢さんが考えている野党連携に乗るのではないでしょうか」

■前原氏も意味深なエールを

 民主党政権時代は「反小沢」だった前原氏は昨年来、小沢氏と会食するなど2人の距離は縮まっている。前出のインタビューでは「政界最大の実力者といわれている小沢一郎を、使いこなす度量が民主党になかった」と反省の弁を述べていた。

 今回の代表選でも前原氏の推薦人には、小沢氏に近いとされる松野頼久氏や小沢氏の側近を自任していた松木謙公氏のほか、菊田真紀子氏、小宮山泰子氏など「小沢チルドレン」が名を連ねた。党員・サポーターの開票結果を見ても、小沢氏の地元・岩手県では、前原氏の得票数は1038と枝野(289)を3倍以上も突き放し、3ポイントを総取りした。
 
 代表選後の会見で前原氏は、「理念と政策に共鳴してくれるところがあれば協力するのは当然」と語ったが、選挙中の先月29日にはネットメディアで、小沢氏について「(他党の中で)もっともわれわれの政策理念に近い考えを持っている」と意味深なエールを送っていた。

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