日銀の「マイナス金利政策」導入の余波が早くも庶民生活に広がってきた。

「横浜銀行」(神奈川)や「八十二銀行」(長野)の両地方銀行は1日から、1年以下の定期預金の金利を0.005%下げ、普通預金と同じ年0.020%にした。「りそな銀行」も2~5年物の定期預金の金利を0.005~0.025%引き下げ、年0.025%に設定。ネット専業の「ソニー銀行」も普通預金の金利を年0.020%から年0.001%と大幅に引き下げた。

 いずれも16日から始まる「マイナス金利政策」で長期金利が下落したのを受けた対応だが、「ソニー銀行」を例にみると、100万円を普通預金で1年間預けていても、利息はたった10円しかならないことになる。

 他の大手行も今後、足並みを揃えてくるとみられるが、マイナス金利による減収分を庶民の預金で穴埋め――と考えているようで許せない。

三菱東京UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクは昨年末、円安と株高による業績好調を理由に18年ぶりに政治献金を復活させ、それぞれ約2000万円を自民党の政治団体「国民政治協会」に献金していた。儲かったら政治献金、損すれば庶民にツケ回し、じゃあ納得できない。経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。

「そもそも(預金金利が下がるのは)貸し出しニーズがない表れです。銀行が貸し渋っている時ならともかく、今の大企業は過去最高ともいうべき内部留保がある。借り手がいないのだから預金を運用しようがない。住宅ローンなどにメリットがあるとはいえ、こんな時に果たしてマイナス金利策の意味があるのでしょうか。マイナス金利策で国債の利回りが下がっているから、今後、年金資金の運用にも影響が出てくるでしょう。庶民生活は踏んだり蹴ったりです」

 銀行は庶民生活に手を突っ込む前に、自民党から献金を返してもらうのが先だ。