Wedgeより





「勉強できる人が偉い人」

こんな日本社会はもう終わる?




 勉強しないと、ああなるよ」ある建設現場を通った母親が子どもに対して言った言葉だ。かつて小誌が取材した中小ゼネコンの社員は、この出来事を今でも忘れることができないという。

建設業や物流業、介護、水道、電気、スーパー、ごみ収集・・・・・・日本では、社会に不可欠な仕事をしているエッセンシャルワーカー以下、EW)が長年、低賃金・低待遇にあえいできた。しかも、平成の30年間を通じて、官から民へ」の動きが加速し、建設業やIT業界などでは多重下請け構造が定着し、非正規雇用が増加した。若者のオフィスワーカー至上主義も高まり、多くの日本人が頭脳労働に偏重する「一億総コンサル」状態になり、きわめてアンバランスな社会になっている。

リクルートワークス研究所のシミュレーションによると、日本では2040年に1100万人の働き手が不足する。事務や技術者、専門職などオフィスワーカーの需給ギャップは小さいが、深刻なのはEWである。同研究所主任研究員の古屋星斗さんは「今、私たちが直面している人手不足は「労働供給制約』という構造的な問題がボトルネックです。これからは、今まで当たり前のように享受してきた生活維持サービスを担う働き手が、最初に不足します。オフィスワーカーも自分の日常生活で手いっぱいになり、仕事どころではなくなる可能性もあります」と指摘する。

日本人はこれまで、EWを安く便利使いし、「当たり前の日常生活」を享受してきた。だが、もう限界だ。これからの時代は、オフィスクーカーがどれだけ美しい理念を掲げ、優れた計画、設計図を練ったとしても、実際に手を動かしてくれるEWがいないという事態があらゆる業界・業種で起こるだろう。

誤解を恐れず、あえて問いたい。日本では、「勉強できる人が偉い人」という考えが行き過ぎてしまっていないか?オフィスワーカーが「上」で、現場で働くEWが「下」という意識が蔓延りすぎていないか?勉学に励むことを否定したいわけではない。だが、EWを軽視し、オフィスワーカー優位の状態を維持し続ければ、この社会は確実に崩壊する。

本特集ではEWが置かれた最前線の現場を取材し、彼らの待遇改善、そして、私たちの固定観念を変えていくための処方箋を提示する。これ以上の“現場搾取、は許されない。

日常が崩壊したらどうなるのか考えてみたい。





















   




エッセンシャルワーカー(EW)とは

エッセンシャルワーカーの「エッセンシャル(essential)」は、直訳すると「必要不可欠な」という意味です。エッセンシャルワーカーは、人々の生活を支えるために必要不可欠な職種に従事する労働者のことを指します。









建設業、物流業、介護、保育、水道、電気、スーパー、ごみ収集など、エッセンシャルワーカーの方々のおかげで生活ができていると思うと、本当に感謝の気持ちでいっぱいになります。




最近、家のすぐ近くに新築住宅が三軒作られていますが、朝早くから夜遅くまで仕事をされていて、いくらお金を出してもこの方達が作ってくれなければ、家はできないし… この方達って本当にすごいなぁ。と思っていました。




多くの方が、エッセンシャルワーカーの存在を見直して、そこにお金が集まるような社会になっていけばいいなぁと思いますおねがい