横浜市会議員の山田かずまさです。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に対し、いまだに先の見えない戦いが続いています。
敵は、ウイルスという『誰も悪くない、誰にも責任がない』ものです。
でも、報道やネット上の『ことば』達は、疲れ、苛立ち、ストレスのはけ口となる『誰か』を探し回っているように感じます。
私たち、政治家や自治体首長、政府・自民党に厳しい意見がぶつけられるのは『当然で当たり前』のことです。
「責任者は責任とるためにいる」(はい、エヴァ世代ですが何か?)のであって、そこも含めての仕事ですから。
そんな中で、物流や生活必需品の販売に関わる最前線の人達や医療従事者の方々、家族に対する、心ない「差別的な」対応があったと各地で問題になっています。
先日、心に刺さるメッセージ(https://kanagawa-med.or.jp/images/about_coronavirus.pdf)を発信した神奈川県医師会会長は感染者が発生した病院のケースとして
>そこに勤める女性看護師は、子どもが『バイ菌』扱いされたり、子どもの保育園から『登園しないで』と言われたり、家族が会社から『出勤するな』と言われたりしました。病院への問い合わせでは電話口で叱咤され、涙を流す事務職員もいるほどでした。病院の前のバス停に『バスを停めるな』と乗客から言われました。
と実情を伝えています。
そんな中でも、医師・看護師・検査技師のみなさんは
>どの医療従事者にも家族もいますし恋人もいます。現場で医療行為をした後、どんなに体を清潔にして、感染しないように心がけても、一抹の不安は残ります。今でも聞きます。『家に帰っても自分の子どもが感染しないか心配です』と。だから、窓ガラス越しに子どもと手を合わせただけで、そしておどけた姿を見せて子供が笑ってくれた喜び、また現場に戻っていく
との思いで、日々『不安』や『恐怖』と戦っているとのことです。
感染予防が最優先なのは当然です。
『近くでクラスターが発生した!』
不安にならない方がおかしい。
文中で出てきた、保育園も休業を許されず、最前線で、不安と恐怖と戦っている中、いろんな思いがあったのだと思います。
それでも、それでも。
2011年東日本大震災の際、『放射能』という多くの人にとって未知の『不安』や『恐怖』が、どれだけ多くの被災者を、避難してきた方々を傷つけたのか。
私たちは、忘れてはいけません。
今回のウイルスとの戦いに正解はありません。
だって、専門家も含めて、誰一人として、本当のことは何ひとつ分かっていないのだから。
そうであるならば、大事なのは『あと少し、ほんの少しの想像力』を働かせることだと思います。『不安』や『恐怖』は、柔軟な想像力を失わせます。
何か行動する前、発言する前に、立ち止まってセルフチェックが必要かもしれません。
自分の「正しさ」を疑うことが必要かもしれません。
全てが終わった後、子供たちに、胸を張れる大人で、社会であるように。
『不安』や『恐怖』の向こう側に、本当の意味での支え合いが生まれる気がしています。