テクニックよりも表現力? | 奇は奇術師の奇

テクニックよりも表現力?

「最近の若い奴は、まともにパスもできない」

と、なげく声が聞こえるし、

私自身過去に次の様なことをなげいていた。

「アッシャー・ツイストできるのに、

ツィステイング・エーセスを知らない

とか。

「バノンのプレイ・イット・ストレートできるのに、

バーノンのトライアンフを知らない

などである。

 

ネット上での種明かしが横行して、

マジックの種仕掛けの情報としての価値がなくなってしまって、

ダダ漏れの情報を享受するものだから、

物事の順序が無茶苦茶になってしまったのだ。

 

基礎からじっくり固めていくのではなくて、

派手で見栄えの良いものから練習を始めてしまう。

 

アマチュアが遊びでやっているのならそれで良いのだ。

好きなこと好きな様に楽しめば良いのだから。

真にアマチュア万歳なのだ。

 

問題は自称プロという輩。

基礎からじっくり、取り組んでいかねばならないの。

しかも、この際の基礎というのは、マジックだけでなく、

人前に立つ人間、エンタメとしての己を表現する術も

含んでいるのだ。

 

いくらパスがうまくても、

ツイスティング・エーセスを知っていても、

トライアンフが出来ても、

 

それらをうまく表現として魅せられないと

意味がないのである。

マジックの基礎はもちろんのこと、

表現者としての基礎も同時進行でやらないと、

プロはいけないのだ。

 

役者や、お笑い芸人の方が、

マジックをうまく表現してしまう=一般客にウケてしまうのは、

トリックを見せるだけでは芸としては成立しないことを

彼ら彼女らが知っているからなのだ。

 

マジシャンが芸人に敗北してしまうのは、

表現力が圧倒的に不足しているからに他ならない。

 

だから、

テクニックの練習ばかりしていないで、

表現力をつける練習をしろっていうのだ。

 

くはああ〜

やっぱマジシャンって、

ちゃんとやろうと思ったら、大変なのだなあ。

 

 

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OSMANDは28日 izumaちゃんと