京都紅葉攻略作戦2014
(鷹峯 源光庵)
今年も「京都紅葉便り2014」を始める前に
「京都紅葉攻略作戦」と題して、
京都紅葉の見頃時期を考えてみたいと思います。
今年2014年の京都の紅葉の総合案内
京都紅葉便り2013はこちら!
すっかり定番化した京都の紅葉最強アプリ!
(私が撮った写真を使っていただいてま~す 笑)
※)主要なリンクは、この記事の末尾にまとめてあります。
毎年言わせていただいていますが、紅葉を観賞する時に一番重要なのは、
「その時にちゃんと紅葉している場所に行く」ということだと私は思います。
いくら美しい紅葉を見せてくれる観光サイトでも、
訪問時期をずらしてしまうと、青もみじ観賞になってしまいます(泣)。
なので、しっかりと紅葉の見頃情報をつかむことがヴァイタルとなります。
悩ましいことに、紅葉の見頃の時期は、
寒波がいつアタックしてくるかによって違ってきます。
ただし、時期がずれても見頃となる順番はだいたい決まっているので
過去のデータを見て季節がどの段階に進んでいるかを見極めるのが、
紅葉鑑賞の決め手だと思います。
ここで、2009年&2010年&2011年&2012年&2013年に
私がコレクトした京都の紅葉の見頃データを
エリア別に表で紹介したいと思いま~す。
ちなみに、
2009年は平年並み、2010年はやや遅い、
2011年はかなり遅い、2012年は最初平年並みで後にやや早い、
2013年は最初でやや遅く後にやや早い、
見頃時期だったと言えます。
表の基本的な見方は次の通りです。
基本的に○の状態になれば、観賞するのに適しています。
ただし、紅葉をおもいきり楽しむには、◎の状態ということになります。
×はまったく青紅葉の状態、△はほんの少し色づき始めた状態です。
ちなみに、データを見る限り
一般に○の状態を確認してから3日~1週間で◎の状態になっています。
なお、データ中に、□で示したものがありますが、
これは、カエデ(Japanese maple)以外の桜などの紅葉や黄葉など
いわゆるオータムカラーの見頃データです。
洛北
京都の紅葉は高雄から始まります。
時期は11月上旬から一部見ごろに入ります。
したがって、高雄の紅葉の色づきが早いか遅いかで
京都の紅葉の前半戦の時期をある程度予測することができるかと思います。
昨年は、一昨年よりも7~10日も遅いスタートでした。
洛北地域は京都の中では比較的高度が高い
北山に位置する場所が多いので、紅葉の時期もやや早くなります。
事実、昨年も比叡山、鞍馬、貴船、鷹峯、紫野あたりは
11月中旬あたりにはしっかりと色づいています。
ただし、岩倉、一乗寺、上賀茂あたりはそれよりも1週間程度遅れます。
また蓮華寺のメインの庭や大原の宝泉院の額縁の庭は
やや遅く色づくので注意が必要です。
洛東
ほとんどの場所が11月20日ころに最高の状態になったことがわかります。
例外は、南禅寺の天授庵がやや早いこと、
清水寺と安楽寺が1週間くらい遅れること、
そして八坂神社、長楽寺、建仁寺が最も遅い時期に最高になることです。
洛中
洛中は温暖なので、他の地域よりもやや遅れて11月下旬が見頃になります。
ただし、下鴨神社の糺の森は京都で最も遅い時期に見頃になります。
洛西
衣笠、花園、西山は11月20日くらいに見頃を迎えます。
それに対して、嵐山と嵯峨は時期がばらつきます。
清滝や奥嵯峨は中旬に見頃に達しています。
一方、平野部(嵯峨野)では11月20日くらいに見頃を迎えます。
また、祇王寺、直指庵、厭離庵、鹿王院は11月下旬にピークを迎えます。
なので、嵐山と嵯峨野は紅葉の時期に行けば、
どこかでそれなりに紅葉を見れるということになります。
逆に嵐山と嵯峨野を極めるには何度も足を運ぶことが必要になります(笑)。
洛南
下京、東山南部、西山は11月下旬、宇治は11月末ということがわかります。
ただし、三室戸寺は宇治の中でやや先行します。
さて、今年の京都の気温はと言うと、
日照不足のためか、8月・9月は低めに推移し、
10月に平年並みに戻ったところです。
■京都市の気温の推移
[前記事]で紹介した神護寺の紅葉の観察結果によれば、
ここまでのところ、ここ数年続いた紅葉の遅い進行とは異なり、
平年並み(2009年)より少しだけ遅れた進行度合いと言えます。
私が京都の紅葉の進行のインデックスとしている
気温の40日移動平均値もそのヒステリシスのパターンが
下図に示すように2009年(黒の波線)とよく類似しています。
■2014年京都市における気温の40日移動平均値の推移
このモノグラムにおいて、線が上側にシフトすれば紅葉の進行は遅れ、
下側にシフトすると紅葉の進行は早まると言えます。
今後の京都の気温の推移がどうなるかということですが、
気象庁の1ヵ月先予測を見てみると、第一週はやや高め、
第二週に高めになって、三週目からもやや高めになる予測になっています。
2014年11月の気温予測(気象庁より引用)
ということで、あくまでこのまま気象庁の予測のように気温が推移すれば、
2014年の京都の紅葉は
2009年のペースよりも少し遅れて見頃になっていく
のではないかと推察する次第です。
具体的には2009年の見頃の推移に近く
最初は昨年より5日ほど早いペースで推移し、
後半になると昨年のペースに近づいてくるのではと思います。
なお、今年の京都の11月の気温については「高い」
という予測が出ていますが、同時に
降水量については「平年並みか多い」、
日照時間については「平年並みか少ない」
という予測も出ています。
・・・というわけで、
今年の京都の秋は、スカッとした日よりもブルーな日が多いようです。
ただ、そんなブルーな紅葉というのも
めちゃくちゃハードボイルドで(笑)趣があると思います。
深まる秋の寂しさの中に繊細に美しく染まる紅葉、
そんなシーンが見てみたいところですね。
ところで、
今年の「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンは鷹峯の源光庵ですね。
紅葉の見頃は11月中旬です。
禅における最も重要なコンセプトであるメディテイションのスピリットを
見事なまでに具象化した悟りの窓と呼ばれる小さな丸窓から
起承転結のある紅葉を楽しむことができます!!!
この窓、見る位置によってまた違った風景を楽しむことができるところにも
何とも言えない趣があります。
この悟りの窓の右横には迷いの窓という四角い窓があります。
等次元状な円形に対して、四隅に異方性をもつ四角形は
まだまだ悟りの境地に達していない幾何と言えるんでしょうね(笑)
この二つの窓の対比がまたたまりません。
そしてある方位から見ると、美しい光の自己主張を楽しむこともできます。
ただ、この源光庵、けっして窓だけが見どころではありません。
窓の外にある苔庭がまた素晴らしいんです。
まっすぐな柱に支えられた書院から眺める紅葉も素晴らしいです。
当然のことながら窓から見なくてもめちゃくちゃ素敵な庭なんです(笑)。
逆にオープンスペースから紅葉を見ると、
窓からの紅葉にはない解放感を味わうことができます。
もちろん、柱も紅葉の額縁になります。
まさに京都らしい、よく手入れされた庭です。
そして、書院の窓から見る紅葉もまた趣があります。
この他、建物内には火灯窓風の窓など・・・
紅葉を楽しめるいくつかの窓があります。
このように、源光庵はけっして悟りの窓だけではない紅葉スポットと言えます。
今年の秋、京都の紅葉を観に来られる方、
素晴らしい紅葉と出逢えることを心よりお祈りしています。
そして、残念ながら今年は京都の紅葉を観ることができない方、
このサイトで京都の紅葉を楽しんでいただければマイプレジャーで~す!
紅葉ガイド(2014年11月更新!)
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[京都紅葉攻略作戦2011]
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[京都紅葉攻略作戦2010]
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