雨山の麓には、大きな池が幾つ

もあるが、なかでも関西国際村

の大池(泉佐野市)は大きい。

 

大池と雨山

雨山は古くから雨乞いの山として

集めてきた山で、南北朝時代に

は山城があった。

こぶ状の山で雨山と城の山があ

るが、古くから人々は、ひっく

るめて雨山と呼んでいる。

 

 

大池から見るこぶ状の雨山(正面左・324m・右城の山・287m)

 

関西国際村(熊取町)は、大阪

体育大学のすぐ傍(南)にあり、

粉河街道(府道・県道62号泉佐

野打田線)を右に折れると大池

グラウンドがあり、その際に大

池がある。

 

 

泉佐野市立大池グラウンドと雨山

 

関西国際村

粉河街道沿いの関西国際村は、熊

取町の西南端に位置し、泉佐野市

と隣接し、熊取町では最も新しい

自治会の地区で、平成14(2002

)年3月23日設立(設立時の戸数

109戸)される。

関西国際村と道を挟み、ふたつ

の大きな池がある。

 

 

粉河街道沿いの関西国際村入口

 

新池

ふたつの大きな池のそのひとつが

新池。新池の此処から北側に昭和

40(1965)年に創立・創設され

大阪体育大学が見える。

 

 

 

新池の北側の景色(大阪体育大学側)


新池の向こう(東)側にもうひ

とつの大きな池がある。

 

 

新池の南側端

横手池

新池の隣(東)にある横手池。

新池からだとよく見える。ひと

の気配を感じたのか、いっせい

に鳥が飛び立ってゆく。

 

 

新池の東隣にある横手池の北側の景色

 

この周辺のひとはこの辺りを「新子

(アラコ)」とか、近くに養鶏場が

あって、「鳥八尾」と呼ぶそうだ。

 

 

雨山の裾の横手池の南側の景色

 

粉河街道から、100mくだると土丸、

その手前の小路に境界田があり、横

手池を左に見て道沿いにゆくと雨山

の登り口のひとつにでてくる。

 

 

雨山の麓の横手池

 

境界石(熊取谷と日根野)

横手池の小路のすぐ傍に江戸時代

の熊取谷と日根野の境界石がある。

 

 

嘉永3(1850)年の日根野村・熊取谷領堺田

 

 

雨山(日根野村と熊取谷)

熊取谷

雨山の麓の熊取谷は、桓武天皇の

頃にその名がはじめて記され、

のちに日根荘の荘園の地図に出て

くる。と、いういわば未開の地で

あった。

慈眼院(日根野村「政所」)

粉河街道の土丸から右(北)に

ゆくと日根神社、左(南)にお

れると大木でこのあたり、京都

のもと関白藤原政基が4年滞在

し日記に記された地である。

慈眼院は、江戸時代まで日根神

社の神宮寺で、大井関神社の中

の坊と呼ばれた。

九条政基の時代には日根野神社

内の日根野村の政所があった。

 

イメージ 8

 

泉州大井関古絵図(元禄3・1690年。左中央:慈眼院の多宝塔)

 

イメージ 6

 

慈眼院の多宝塔(大阪府泉佐野市日根野631-1)

 

雨山(雨山城・土丸城)

関白藤原政基が京に戻った以後、

守護の家来であった武士の勢力が

強くなり、戦国時代に雨山城・城

の山(土丸城)を巡り戦う。

 

 

雨山の頂上の雨山城跡

 

 

雨山城古図

 

結果根来衆の勢力圏になり、その

後秀吉を経て、徳川が天下を治め、

江戸時代に入る。

 

 

雨山(雨山城跡)から粉河街道そいの大木地区

 

大池(熊取町と泉佐野市)

大池(泉佐野市)は江戸時代につ

くられる。堤の高さ16mにおよぶ

江戸時代前期1645年以前につくら

れ、日根荘の尼津池・八重治池・

十二谷池の池郡と連なり、この地

域の水利施設として役割を果たして

いる。

 

 

嘉永3(1850)年のため池絵図

 

雨山の麓

(大池「境界」新池・横手池)

粉河街道沿いの新池は現在、朝代

濁池という名前になっている。

ときが移り変わり、かつての日根

野村と熊取谷は、それぞれ村から

市、谷から町になった。

そして現在過疎化、高齢化などの

課題をかかえ、時代とともに変わ

ってきたが、この辺りは昔とかわ

らず自然の景色が今も残されてい

る。

 

 

粉河街道沿いの関西国際村の隣の大池

 

 

 

 

 

 

Enjoy雨山

2020.3.26

九条政基と土丸(日根荘)<5>ー新大阪物語(800)

2020.4.9

雨山(「緑の森」)の雨山・土丸城(「戦国時代」)ー新大阪物語(811)

2021.4.9

日根野と九条政基(天満宮)ー新大阪物語(986)

2021.4.10

日根神社・慈眼院と九条政基ー新大阪物語(987)

 

Enjoy三都物語(男と女の物語)

2024.3.7

Enjoy箱作(観音寺・宗福寺)三都物語(128)

2024.3.11

Enjoy光る君へ⑩「陰謀(初体験)」男と女の物語(617)

2024.3.12

Enjoy火走神社(荘園「九条家」天皇)三都物語(129)

2024.3.13

Enjoy熊野街道「往生院(信達)」三都物語(130)

2024.3.14

Enjoy春画「鶺鴒(せきれい)」男と女の物語(618)

2024.3.16

歌川国貞『花鳥余情吾妻源氏』男と女の物語(620)