空は曇り、小雨は降るがすぐに止む。

秋から冬に移りかわっている。

今朝、かつて森の中にあった地の京大

の研究用原子炉がある通りを散策する。

 

 

京都大学熊取原子力科学研究所(住友電工ファインポリマーの南)

 

森の中の京大原子炉研究所「廃炉」

京大の熊取原子炉施設には、研究用

原子炉と臨界集合体実験装置のふた

つがある。

以下読売新聞(2021.3.24)、朝日

新聞(3.25)の記事をもとに書く。

 

1基「廃炉」

大阪・熊取の京大複合原子力研究所

は3月23日に、2026年に研究用原

子炉(出力5,000kw)1基の運転を

停止し、廃炉を進める検討をしてい

ることを、明らかにした。

今後、京大本部で検討される。

研究所には他に、低出力の実験用原

子炉(出力100ワット)があり、引

き続き研究に利用する。

廃炉後

2026年5月までは使用済みの核燃

用を米国で 引き取ることが決ま

っている。

□それ以降の燃料の処分方法につい

ては見通しが 立っていない。

□廃炉後の将来は、福井県敦賀市の

高速増殖炉で研究を継続する方針。

 

 

移りゆく時代

反対運動「平和利用」)と建設

昭和39(1964)年に臨界に達した

古い原子炉。

建設計画時には予定地ができるごと

に、反対運動起こってゆく。

予定地は宇治市、高槻市、四条畷市

と変遷し、熊取町の建設では、地元

の住民はもとより、隣接の泉佐野市

を中心に反対運動が起こった。

のち大阪府に平和利用を監視する協

議会が設けることなどを条件に建設

が認められることになる。

その後2009年に原子力委員会で熊

取のオフサイトセンターの換気設備

・放射能フイールタなどがないこと

を問題に指摘されている。

 

森の中の京大原子炉

大学の研究炉として国内最大で、こ

れまで国内外の学生や研究者が放射

線の医療応用などの研究に活用して

きた。

ところが、最近事故があった。

以下毎日新聞の新聞記事(2020.1.

29)による。

(事故)

昨年令和2(2020)1月28日熊取

町の京大原子力科学研究所の施設で

「煙が充満していると」警備員から

119番ある。

研究用原子炉がある建物ものでなか

ったが、実験の電源を入れると、冷

却用設備が正常に運転せず、発煙す

る。結果射性物質が漏れたとは確認

されていなかったという。

ところでその原因は、泉佐野市の水

道管の埋設工事のとき2019年11月

に埋め戻し、仮復旧した箇所の工

事が不十分だった可能性があると、

泉佐野市は原因を調べている。

 

廃炉「撤去処分」

原子炉施設には、研究用原子炉と臨

界集合体実験装置のふたつがあり、

事故は恐い。

例えば和歌山市の水道管の老朽化に

より何日も断水状態が起こり、日常

の暮らしに被害をもたらす。

原子炉は維持・管理に経費がかかる。

たとえ休廃止して問題は解決しにく

い。

将来、解体解体撤去が考えられるが、

放射性廃棄物の撤去の処分方法が決

まっておらず、これに多額の費用も

かかる。

全国で大学のもつ研究用原子炉の休

廃止が相次いでいるが、休廃止して

も問題は解決せず、運転停止後の維

持管理、安全性確保に万全を尽くさ

ねばならない課題がある。

 

熊取の京都大学「開発」

熊取の原子炉。松の木が1本建って

いる。

ここを境に東西、南北にフェンスで

仕切られている。

以下看板の「建築(開発)のお知ら

せ」(2021.10.21)によると。

建築物の用途は大学。敷地面積約3

04000㎡、

建築面積2400㎡、RC造3の1棟が

できる。

建築主は京大学長湊長博、設計者

は京都の内藤建築事務所、工事施

工者は未定。工事予定期間は、来

年2022年2月1日から2024年1月

15日までである。

 

 

松より北側大学建設予定地

 

町の人びとは、当初京大の原子炉誘致に

反対した。

結果、阪和線熊取駅の快速が停車し、町

の山は切り開かれ人口が増え、新たに大

学が誘致され、学園の町となり、昭和3

9(1964)年に京大の原子炉設置を契機

に町がかわった。

設置されてから今年で57年になり、原子

炉の廃炉問題をさかいに、今また町の姿

も変わっていっているようだ。

 

 

 

 

 

<熊取町>

メタセコイアのある町(「自然と人」)

町ある樹ーヌマスギ(熊取町「沼杉」)ー

町ある樹(木肌)とチリ(国情「温暖化」)

町ある樹と地球温暖化(「国情」)

町ある樹と地球温暖化ー霊場(水神「四国八十八ヶ所」)

町ある樹の謎ーイチョウの木(「雄と雌のイチョウ」)ー

森の中(図書館周辺)の木の謎(「柿の木とドングリの実」)

2021.11.24

街ある木ー森の中のクスノキ(泉穴師神社)