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電車で読む本

短い通勤電車乗車時間で読んだ本を紹介したりして

中原弓彦時代から小林信彦氏の評論はよく読んでいます。
とりあえず週刊文春連載「本年を申せば」の700回記念記事から

榎本健一
覚えているのはエノケンがNHKの何かのバラエティーで、すでに脱疽で両足は義足だった。この時坂本九も出演していたような記憶だったが、その時にも九ちゃんを後継者だと思っているという発言をしていたようだったけど。エノケンはその後亡くなります。

古川ロッパ、森繁久彌
ロッパさんのことは記憶にない。私の認識した時はすでに亡くなっていた。親父はよく話していたような。
ロッパの劇団にいたのが森繁さん。親父は森繁さんは嫌いだったようだが・・・。このあたりはTVで記憶のある人たち。七人の孫など・・・。


坂本九は結局「夢で逢いまショー」での「上を向いて歩こう」後いずみたくさんのミュージカル「見上げてごらん夜の星を」は初めて買ったシングル盤。その後はバラエティー、ドラマとか、あとはMC(司会)とかで活躍したが。30年代がピークだったのか、その後は例の飛行機事故で亡くなった後。北海道で福祉を中心としたTV番組に出られていたことを知った。
(何回か後に続きを書く予定)
バーボン・ストリート・ブルース (ちくま文庫)/高田 渡
¥756
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フォークシンガー高田渡さんの自伝。


高石友也、岡林信康と並んで日本のフォークシーンを語るにははずせない渡さん。残念ながら2005年に亡くなられました。おそらくは深酒が原因なのか?


渡さん、昼ごろから近くのなじみの店で必ず一杯。最後まで自宅にはエアコンがなく。15アンペア契約のまま。

渡邸に映画クルーがロケに行くとたまにブレーカーが落ちてしまう。ありのまま生きた人なのか。私どもにはとてもまねは出来ません。


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長岡鉄男氏は個性的なオーディオ評論家。(2000年に亡くなられています)。氏の講演も一度聞いたことはあります。長岡氏推奨のスピーカーマトリックス(簡易サラウンド)も過去に実践していました。

今のAVアンプ付きTVスピーカー台のサラウンド効果ってどうなのかと思いながら。


この本はそれよりも時事評論で、独自の説を毒舌で紹介されるという本でして、オーディオの話はあまり出てきません。というかたとえばなしで出てきます。うがった見方ですが結構的を得ている部分もある面白い本なんですが、一般的ではないかもしれませんねー。私はファンですので好きですが。

なぜ日本人は落合博満が嫌いか? (角川oneテーマ21)/テリー 伊藤
¥760
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あのテリー伊藤さんがこの本を書くとは、チームの好き嫌いを超えて(テリーさんは巨人ファン)の客観的な評価なのか。

まあ中日ファンである私どもとしては、落合さん中日監督就任間際、選手時代にあれほど冷たい反応だったFAを最初に行使して巨人に移籍したことで違和感が強かったんですが。監督で1年目に優勝できて驚きと同時にその合理主義に感嘆した。


毒舌が強くて、どうも人間的には好まれない落合さん。堂々たる実績で中日監督時代を締めくくった。まあおそらく再登板はないだろう。

他チームの監督にはなるかどうか。この人は使いにくいと思うけどな。でもまあチームを確実に強くしてはくれるだろう。
そんな落合さんの考え方を書いてくれた本と思う。まあ妥当かはわかりませんが。落合さんの本音はわからないけどね。


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定吉七は丁稚の番号


東郷隆の名作だと思うんですが、(シリーズで数作出ています)どうもゲームソフトの原作に使われたので(まあそれで存在を知ったんですが、あ、ゲームはしてません)続編が出せないとか。重版とか再発?がいまだにないのはそのためなのかな。まあ後は007のパロディなんですが、このあたりの権利関係なのか。今となってはたぶんあまり知られていないのは、もったいないんですがね。

まあシンプルでちょっと物足りないなというエピなんですが、この本に関しては佳作なのか。

フリーライターの仕事で進藤が出会った、破滅を目前にした起業家、人気のピークを過ぎたアイドル歌手、生の実感をなくしたエリート社員……。東京を舞台に「今日」の哀しさから始まる「明日」の光を描く連作長編。
(角川文庫ホームページより)


再読する。旧友のエピとかちょっと作りすぎかという感はあるのだけど、バックの自分の家族のエピとの絡みは良い。



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例によって休みなのに早朝覚醒でNHKホリデーインタビューを見る。
最近「カラマーゾフの兄弟」などで新訳を出した亀山郁夫さん。
以前、NHKETV「知るを楽しむ」で亀山さんのロシア文学の解説を見てこの方の存在を知ったんです。
最近はすっかり純文学にはご無沙汰だったんですが、
最近の悲惨な事件を思うとき、改めてドストエフスキー「罪と罰」を思い出します。
人間の心には毒があるわけで、この小説はそれを描いているわけですが、だから読むのにはつらいんですけども。こういった事件、やっぱり最近に始まったことではないということなのか。
残念ながら人間の心の毒は普遍的にあることなのか。

ところでインタビューの中では、亀山さんは末っ子だったそうですが、父親が長兄に対して差別をしていた、食事も兄弟と一緒には取らせなかったらしい。おそらくは昔のタイプの父親らしい亀山さんの父上。
男の子、特に長男には期待をするということなんでしょうか。それが裏切られたということなのか。
そして亀山さんはその環境を忘れるために学生時代に文学にのめり込んだそうです。映像では若いころ私も読んだ世界文学全集の本が映っていました。まあ同世代なんで、体験は同じなのか。懐かしく思いました。
このころこの全集でプルーストとかビュトール、ロブ・グリエなど知りました。

亀山さんは今では父親を許しているそうなのですが。立場が似てきたのか。年をとったのか。


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夏への扉 ロバート・A・ハインライン(小尾芙佐訳)


1970年ごろの話。

ダニエル(ダン)は天才的な発明家で家事をするロボットをたくさん設計した。友人のマイルズはそれを商品化し、ダンの婚約者のベルは二人の作った会社で働いていた。

しかしある日はダンはマイルズとベルに騙されて会社の事件を握られていることを知り怒り狂う。ダンはマイルズの義理の幼い娘のリッキーに慕われていたダンは自分の持っている会社の株をリッキーに譲り、そのころ実用化されていた低体温睡眠で仮死状態になり30年後に目覚めようと保険会社と契約する。そして再びマイルズとベルに会うのだったが・・・。再びベルにいいようにされてしまい・・ダンは低体温催眠の保険会社へ連れ去られるが・・・。

30年後事態はダンにとってあまりい方向へは向かってはいなかった・・・その世界でダンはタイムマシンらしき機械をを実験しているトウィッチェル博士を見つける・・。そしてダンは・・。


最後まで読めばあの発明者の謎もわかります。これは面白いな。よく出来ています。1956年の作品。2000年の世界は本書で描かれている世界hぽ度は進んでいませんが。まあゴアテックスなど雨にぬれにくい服とかはありますよね。

私どもは山下達郎さんの歌でこの本を知ったんですが。ようやく入手しました。


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カカシの夏休み

「カカシの夏休み」

優しくて、生徒にきついことがいえない先生。そんな先生のクラスに授業に混ざらない生徒が一人いた。そんな日常に悩む先生。先生は,今はダムの水底に沈んだ村の出身だった。そしてそのときの同級生が事故死する。思いがけなく葬式に集まった同級生達。そして彼の葬式に現れなかった同級生の女の子のその後が話題になり。先生の同級生がその女の子が開いたかつての村の写真が掲載されたホームページを見つける。

それを知った先生はひそかに放課後に学校のパソコンで閲覧するカ。そしてその女の子にメールを出す・・・。


自分のルーツ探しなのか、同級生に故郷の村を見に行こうと提案するカカシ先生・・・。


今の子供たちは難しいのかなー。妙に大人なのか。管理する先生も大変だ。



「ライオン先生」

ライオンのような髪型の先生。娘と二人暮らし。娘が目を二重に整形したいと言う。先生は娘とぶつかってしまう。しかし先生も実はライオンの髪型は鬘だった。

そして先生のクラスの一人の不登校の生徒、そしてその父と向き合うことになるのだが・・・。


まだこちらのほうが答えが用意されていてほっとする。最後は予想された展開なのだが・・。



「未来」

自殺した同級生からその直前に電話がかかって来た事を公言したために、そしてそのときに死ぬといった言葉を受けて死ねばとこたえてしまった事を行く同級生の前で話してしまう。そしてそのことで噂になり非難されることになってしまい。病気になり学校に行けなくなる。そんな女の子はいま事件や事故で死んだ子供の遺族を癒す活動のボランティアをしている。

そしてある日弟が同じような立場に追い込まれてしまう・・・。そのとき姉は・・。


暗い話。いじめをしたがわの子供達の立場を描いている。最後には意外な結末が待っているのだが・・でもあまり癒されはしないけど。考えさせられる話。加害者というかある意味被害者でもあるという・・。微妙と言うか何とも言いようがないけどな・・・別の立場がわかるという話。


トワイライト

小学校の卒業記念に埋めたタイムカプセル。30年後に掘り出そうときめたその誰もが忘れていたタイムカプセル。それを覚えていたのは子供のころ転校を繰り返し1学期しかそのクラスに在籍しなかった杉本だった。

母校が廃校になることがわかり、タイムカプセルの行方を心配していた。その話を聞いた池田浩平は病気で入院している杉本に代わって同級生を集めてタイプカプセルを掘り出そうと新聞広告を出す・・・。

そして予備校講師の竹内淳子。同級生同志結ばれた安西徹夫と真理子。その真理子に小学校時代に思いを寄せていた高橋克也。

それぞれ今のつらい事情抱えた同級生達が過去に思いをはせながら、歓談するが・・・そこで事件が起こる・・・。そして・・。




70年代が子供で万博の記憶が伏線になっていく。私どもよりは一回り若い世代。タイムカプセルは仕事関連で記憶があるんだけど。万博にも3回行きましたが。もうあまり記憶がありません。終盤現在の万博会場の描写が出てくるのだけど、それはちょっと寂しい感じで感慨が深いですね。


いつものつらい感じで話が続くのだけど・・。自分の会社の今40台の子達もやめた人が多くて・・なんだかなーと感じてしまいますが。この年齢ってやっぱり転機なのかなー。自分もIT化に何とかついてきたのですが。

まったく会社にパソコンがこんなに蔓延するなんて、感慨はひとしおなんですがね。

よく考えれば自分もこんな事をしてますんで・・、不思議なんですね。