牛と火山灰

テーマ:

牧草と火山灰について、本日、西諸県農業改良普及センターに電話してみた。


小生、「火山灰を被った牧草、イタリアンライグラスを牛に与えても問題ありませんか?」


担当者、「どのくらいの火山灰ですか?」


「ここは、えびの市なので、まだ、影響は出ていませんが、4月~5月まで、この状況が続けば、風向きが変わり、やがて、収穫時期とぶつかると思って・・・。」


「そうですか、え~と、雨で火山灰が流れてしまえば問題ないと思うんですが、できるだけ、振るって、与えてください。さもないと、病気になります。」


「そちらでは、今回の新燃岳の火山灰のサンプルを調べて、硫黄の含有率などを調査されたんですか。」


「いいえ、これから、やろうという矢先でした。」


「しかし、少なくとも、火山灰の成分を調査し、牧草をよ~く振るって、与えないと病気になるといった注意喚起を行うべきではないですか。」


「はい、これから、やります。」


「火山灰を食べた牛にどれほどの影響があるのか、データか論文かありませんか?」


「探してみます。見つかり次第、お送りします。」


大まかに言うと、こういったやり取りであった。

やや、「おいおい、大丈夫か、行政は。」とは思った。

しかし、少なくとも、この周辺の牛農家には、「火山灰を被った牧草をそのまま与えるのは危険である」と注意喚起すべきである。




wikiには、火山灰

  • 酪農・牧畜
火山灰を被った牧草を牛が食べると病気になる。

だそうだ。

「病気になる」って、あなた、できれば、もうちょっと、詳しくお願いしたい!

牧草と火山灰と牛に関して、考えなければならないことは、3つあると思う。


1 降灰が原因の日照不足による牧草の生育不良の問題


牧草は、所謂、路地ものである。

施設園芸品ではないので、この問題は、如何ともし難い。

人知の及ぶところではない。

お天気任せ、風任せ、火山任せとしか、・・・・。



2 火山灰を、牛に給与した際のダメージの問題


この問題、ネットで探した。

全文は、こちらです。 火山灰採食が乳牛に及ぼす影響


―以下抜粋―


[タイトル] 有珠山噴火農業災害調査  火山灰採食が乳牛に及ぼす影響
[期間]  昭和52年
[担当]  北農試畜産部対策プロジェクトチーム
[協力分担]  家衛試北海道支場


[目的]
被災地において、牛は量の多少はあるにしても、かなり長期間にわたり、粗飼料と共に火山灰を採食せざるを得ない状況にあるこのため粗飼料と共に火山灰を採食した場合に牛に与える影響を調べた。


[試験研究方法]
下記の3種の調査を行った。
1)被災酪農家のホルスタイン種牛の血液性状および牛乳成分を噴火直後より、1カ月毎に3回調査した。
2)ホルスタイン種泌乳牛4頭を用い、試験区、対照区各2頭ずつに分け、配合飼料と青刈牧草を給与した。
試験区には1日1kgの火山灰を配合飼料に混じて与えた。試験期間は40日間であった。
3)ホルスタイン種雌育成牛1頭について、1日1kgの火山灰を配合飼料に混じて30日間与えた。


[結果の概要]
1)血液性状および乳質には火山灰採食によると考えられる変化は認められなかった。
2)試験区は当初、残食を生じ、乳量は減少した。乳質には両区間に差を認めなかった。
3)血液性状では、火山灰を採食した牛で、消化管に軽度の物理的損傷を起した可能性を認めたが、牛の健康に支障を来たすものとは考えられなかった。

4)一般成分の消化率は、粗灰分が試験区で低下した以外は、火山灰採食によって影響を受けなかった。その他のミネラルの出納は両区の間に著差を認めず、火山灰より摂取したミネラルは大部分、糞と尿中に排泄された。
5)消化管内容物には1%程度の火山灰が混在し、とくに第4胃及び十二指腸部には混在率が高く、消化管全面の粘膜雛襞に少量の火山灰の沈着が認められた。


[指導上の注意事項]
本試験の結果から、乳牛に火山灰を1日1kg採食させると、飼料採食量、乳量の減少が認められたが、その他の障害は認められなかった。

しかし、試験期間が30~40日という短期間であったために、この結果から直ちに火山灰を採食させても安全であると速断することはできない。
火山灰の付着した飼料は、可能な限り火山灰を除去してから乳牛に給与すべきであり、特に硫黄分の多い火山灰の場合には十分に注意すべきである。


―以上抜粋―


要約すると、

▼ホルスタインに、1日1Kgの火山灰を、30~40日間、与えても、影響らしいものは無かった。

▼牧草に硫黄分が多い火山灰が付着した場合、なるべく火山灰を除去したものを与えないといけない。


予想した通りではあるが、以下、疑問が残る。

▼黒毛和牛、あるいは、それ以外の牛種では、どうなのか?

▼この調査で使われた有珠山の火山灰の成分の中に、硫黄はどれほど含まれていたのか?

▼数haの牧草の火山灰をどうやって除去しろと言うのか?

▼今回の新燃岳の火山灰の硫黄の含有率は、誰がいつ、発表し、さらに、牧草給与の可否は、どういった形で発表されるのか?

▼通常、火山灰には、硫黄以外に有害なものは含まれないのか?

▼硫黄が牛にどう影響するのか? 死に至るのか? 胎児に影響するのか?

▼上記、調査を宮崎県は実施・発表しないのか?



3 火山灰が、牛の呼吸器官などに与える影響


このことについては、「火山灰 牛 呼吸器官」で、検索したが出てこなかった。

ただ、私見であるが、土ぼこりのする運動場で、親牛は、平気で寝ていたりするので、恐らく、成牛には、影響はないと考える。

しかし、子牛は、火山灰を暴露すると、呼吸器官をやられ、肺炎を起こすことも考えられるので、火山灰が影響しないように留意すべきではないだろうか。

子牛は、マスクなど、できないのだから。




火山灰の中のかなり小さな粒子(粒径10μm以下)は、呼吸器官に刺さり、かなりダメージを与え、急性喘息や呼吸困難を引き起こすことがあるという。

無論、人間もマスクなどして、防御しなければならない。

目は閉じたり、容易に洗ったりできるが、肺は、そうはいかない。