大島神社の参道を途中で折れ、宗光寺方面へ下ります。ゆるくS字にカーブする坂の沿道には、古い木造家屋や長い土塀が続く、落ち着いた小道。オレンジ瓦に青い庇、黄緑の壁の、モダンな色彩の建物も。宗光寺は小早川隆景が、親の毛利元就夫婦を弔った寺を移築。寺院にしては広い境内を持ち、重厚な佇まいです。

石門の先は、宗光寺小路から続く参道。白壁沿いの道の先には、大規模な山門が。この寺は三原城の築城時にここへ移築された際に、城の西側を守る砦の役割も担い、山門は小早川隆景の時代に、居城の新高山城の城門を移築したとされます。四足門の切妻造・本瓦葺の桃山建築で、城郭の遺構らしい荘厳さです。

本堂は屋根が二層に見える入母屋造が特徴で、本堂を挟んで左側に禅堂と右側に切妻屋根の庫裏が並びます。境内には石仏や石塔が多く見られ、本堂の前の地蔵堂には、三原新四国八十八ヶ所の石仏や六地蔵など、3つの地蔵堂が続きます。石造七重塔は、鎌倉時代末期の永仁年間の作。袴腰つきの鐘楼は高さがあり、砦の望楼の役割もしていたかのようです。