新港を後に、可動式防潮堤を再び越えて、防潮堤沿いのオーシャンロードを歩きます。新港は埋め立てた土地に造られた漁港で、かつてはこの道のあたりが海岸線でした。道路の陸側にはかつての防潮堤の跡も見られ、一筋奥には、焼津の水産業発祥の町だった浜通りがチラリ。水産加工会社の加工場や、店舗も点在します。タスマニアの姉妹都市の名をつけた、ホバート通りの沿道には、駿河湾深層水水産利用施設など、海洋深層水の関連施設が。深層水とは水深200mより深部の海水で、太陽光が当たらず富栄養性・清浄性・低温安定性があります。日本一深い駿河湾には3種の深層水が流れ込み、深さ397mと270mから汲み上げ、水産業などに利用しています。

深層水ミュージアムは、駿河湾や深層水について学べる展示施設。展示室には、水深150〜600mに棲息するオオグソクムシや、古代の姿を伝える深海ザメ・ラブカの標本などがあります。隣接して、駿河湾深層水の原水の給水所が。黒潮系の深度の深層水で、深度397mと270mの、それぞれから選べます。海寄りの園地は、親水広場の「ふぃしゅーな」。護岸からは外港越しに、高草山方面を臨めます。展望台に登ってみると、防波堤の向こうに広がる駿河湾。かすかに伊豆半島も。右方向にはサバやアジなど、沿岸漁業の水揚げ港・小川漁港があります。