最初に訪れた北大キャンパスは、日本の大学の中でいちばん自然に恵まれ、いちばん歴史ある建造物が残っているのでは。駅寄りの中央ローンから敷地内に入ると、せせらぎの左右に芝生の園地が広がり、大樹が茂る中に木造や石組の瀟洒だったり威厳があったりの建造物が点在する。旧予科教室の事務局本館、もと農科大林学教室の古川講堂に昆虫標本室、そして理学部本館だった総合博物館など。構内の道路は地元の人が生活道路にしているようで、自転車で気持ちよさげに行き交っている。

ポプラ並木方面は農学部の実習農地で、道中にも実験に使っている畑や植物園が見られる。広い農場の手前がポプラ並木で、ひと頃は台風や老朽などで傷んでいたが、見事にそびえる姿を見せていた。少しの距離なら間を歩け、見上げたり幹に目をやったりしながら何度も往復した。初めて訪れたのは大学生の時で、当時のことを木々を眺めながら思い返してみたりして。奥には周辺の住宅地を背に、トウモロコシなどの畑が広がっている。学生が操るトラクターが、往来する姿も。

イチョウ並木から郊外へ出る途中には、北大グッズを売る生協中央食堂、洋食レストランのエルム、キャンパス仕様のしゃれたセコマなんてのも。時間が早く開いてなかったが、散策後の休憩や記念品の買い物にいいかも。