
平和大通りを並木通り入口交差点から入ったところにある、モツ料理の店。モツ焼き、タン・白肉、カルビ、ホルモン炒めなどで、軽くいっぱいといった感じの店である。人気はテールスープで、まわりで飲んで流れてきて、ここでモツで軽く飲んだあとの締めにピッタリ。塩ベースのスープはテールからダシが出ており、10時間煮込むというぶつ切りのテールは肉がホロホロに骨離れして、よく動く部位ならではの味が凝縮したうまさが嬉しい。
ご主人はお父さんが被爆者、奥様は原爆投下後に広島に入ったため二次被爆という、原爆に関わる話もある。ご主人のお父さんはかつて繁華街の中島本町に住んでいて、江波の三菱の工場にいた際に原爆が投下、身重の奥さんと父を亡くしたという。店はここで屋台から始め、うまいものを食べさせたいとの気持ちからテールスープを発案。それをご主人が継承して、この場所で出している。サイコロ型の木の品書きは、かつての建物の柱を使っているとか。テールスープは儲けは出ない、と笑うご主人。なのでいろいろオーダーして飲んでから、これで締めるのが流儀だ。
ご主人は現在広島で展開している、「いますぐおいで、そのうちおいで」との誘客ポスターのモデルの1人にもなっている。絶品のテールスープと広島愛にあふれるご主人に、東京にかえってもまたすぐおいで、といきたくなる店である。