
松が岬公園の南に位置する上杉伯爵邸は、明治29年に上杉家14代茂憲公の伯爵邸として建てられたものを、大正時代の焼失後に復元。風格のある総ヒノキ入母屋造りの建物は、国の重要文化財にもなっている。現在は料亭となっており、東京の浜離宮に模した庭園を眺めながら、米沢牛や米沢の郷土料理を味わえる。
上杉神社の南口になる赤い菱門橋を渡り、掘の外側を歩いていくと、白壁に囲まれた屋敷がある。入口をくぐると広い庭と屋敷、一角にはここにも鷹山胸像が立つ。庭園は自由に観覧でき、ここにも錦鯉が多数。また養蚕を奨励した鷹山ゆかりの桑の木も見られる。庭から木造入母屋造り・波板ガラスの建物を眺め、米沢牛料理はまたにして先へ向かう。
菱門橋まで引き返し、城郭の堀の延長らしき水濠沿いを南へ向かう。このあたりは観光客の姿はなく、水面に咲くハスの白い花が美しい。先にある「餐霞館跡」は鷹山の御隠殿の跡で、家督を養父重定の次男治広に譲って以降、ここで藩政の指導をしたという。ちなみにその時の年齢は、まだ35歳の若さ。3000坪、部屋数40の平家の建物だったが、霞を食べるとの館名の通り、質素な暮らしは変わらなかったという。「なせばなる」の歌も、ここの壁に記したとか。
雨がひどくなってきたので、無理せずゆっくりいきましょう。