上杉神社の鳥居をくぐると、右手に神楽殿、左に水屋を見て、樹名を記した古木に囲まれてうっそうとした中を行く。神門をくぐったところに小ぢんまりした社殿が建っている。現在の社殿は大正8年の火災のあと、12年に米沢出身の伊東忠太博士の設計で再建されたものである。隣接の宝物殿「稽照殿」も伊東忠太博士の設計で、謙信、景勝、兼続の遺品を展示。あの「愛」文字の兜も所蔵されている。奥には小さな池を囲む庭園があり、中央には米沢牛と並ぶ当地の食文化、鯉の供養碑が立つ。裏には噴水もあり、水の音が心地いい。

上杉神社の左右それぞれに境内社があり、右手の福徳稲荷神社へは奉納幟の赤いトンネルを抜けたところに、全体が朱塗りの社が構える。五穀豊穣、千客万来、商売繁盛などのご利益があり、社殿にも幟が立ち並ぶ。左の春日神社は対照的に、鬱蒼とした中にたたずむ古社といった趣。謙信公が奈良の春日大社から分霊、越後春日山城・林泉寺から会津、さらに米沢へ、上杉家に伴って移ってきた、ゆかりの深い社なのである。

では、城外周辺の史跡も見てみましょう。