本場米沢牛が味わえる炭火焼きホルモンの店で、地元の人に評判の名店。ご主人が日本一と自慢する「白ホルモン」は、とある告知系グルメ芸人がプライベートで来店、ガタイ女装コメンテーターが情報番組で絶賛したことで、さらなる評判を呼んでいるという。店内はまさに普通の民家の座敷で、炭火コンロの煙がもうもうと立ちこめ、香ばしい匂いも充満。濁点と丸がついた山形弁が飛び交っていることから、お客は100%地元と分かる。

卓上の炭火コンロで焼く仕組みで、タレと付け合わせは赤い唐辛子味噌と緑のおろしニンニク。生をおろしていて、おろし立ては緑色をしているという。まずはやはり、白ホルモンから。豚の腸を4時間かけてしっかり洗っており、鮮度を重視しているため臭みがまったくなく、豊かな食感が自慢とのこと。くるりと丸くなったら食べ頃。コリコリとしてやや獣臭のくせがあるが、これが後を引く。

赤肉は肉厚で、さしがくっきり紅と白のマーブル模様で美しい。火にかけるとものすごく炎が立ち、程良く脂が落ちるぐらいにさっと軽く焼くのがポイント。舌にのせるととろけ、甘みがバッと広がり、かむと肉汁がジュッ思わず絶句。焼き方が少々難しく、炎が上がる直前にひっくり返し、さっとあぶってまだほんのり赤いぐらいで食べるとベストだが、覚えた頃には終わってしまうのが残念。

レバーもご主人自慢の1品で、牛を落としたその日に仕入れ、3日間しかおかないから新鮮そのもの。塩こしょうだけの下味だが特有の臭みは全くなく、上質のパテのようでホクホク、プリプリした食感がいい。締めごはんにもう少し肉、とタンをあぶってはのせてはニンニクと唐辛子をまぶしてタレをかけまわし、至福の牛タン丼で締めくくった。さんぽの旅も半ば、十二分にスタミナ補給ができた、米沢の夜である。