
鶴ヶ城は1384(至徳元)年に芦名氏が館「東黒川館」を築き、16世紀後半に蒲生氏郷が築城した城である。以来、上杉、加藤、松平と、歴代領主が400年以上居城としている。蒲生氏郷が七層の天守閣を築き、加藤時代には現在のような五層の天守閣に。戊辰戦争では約1ヶ月の激しい攻防に耐え、難攻不落の名城として知られた。落城後に取り壊されたが、昭和40年に天守閣が復元。平成22年度には幕末期の赤瓦への葺き替えが行われ、現在の姿となっている。
北出丸から入ると、堀沿いにクランクして城内へと入る。枡形の石垣を過ぎ、武徳殿の古い建物を見てから鍵に曲がり、本丸へと登る椿坂を行くと、左の石垣越しに天守が覗く。太鼓門から回り込むと、千鳥破風を2つ備えた西北からの姿を見上げられる。鶴ヶ城稲荷神社から、蒲生氏の頃の表門跡を通り、本丸へ入ると天守への入場券売り場を経て、鶴ヶ城公園内へ。正面からの眺めは右手から天守、鉄門、南北の走長屋、干飯櫓と、一直線に並ぶ。ベンチから見ると、松越しに優美な姿を見せてくれる。
本丸には高楼建築の「御三階」ほか、江戸城のように公式の場の「表」や藩主が政務をしたり生活する「中奥」や大奥に当たる「奥向」に分けられた本丸御殿跡の礎石など、建物の跡を示す史跡も多い。ざっと見てから、鉄御門のところから走長屋越しの天守を見て、門をくぐり天守の反対側へ。こちらからは石垣にそそり立つ天守を見上げられる。
一周すると様々な表情が伺える鶴ヶ城、好みの角度を探してぐるり一周してみるのが楽しい。