
洋館建築の市役所の脇を通り、鶴城小学校を折れると通りが広がり、鶴ヶ城の天守が見え始める。城の北寄りの通りにあたり、歩道を広げて整備されている。周辺は西郷邸跡や複雑な形状をした地形をそのまま庭にした白露庭、会津戊辰戦争終結の地など史跡が多く、西郷邸の「一家自刃」の説明がもの悲しい。
隣接して続く白壁の大きな土蔵は、宮泉銘醸の一番蔵だ。戦後に良水を求めてこの地に来た、宮森家が創業した酒蔵である。会津は扇状地の盆地で、多くの水流を地下に含むため、良質の水に恵まれている。また仕込みに適した気温0度以下の日が年間140日、熟成に適した25度以上の日が100日以上と、四季がはっきりした気候が酒造に向いているという。
蔵の一角の店舗では、無料で「宮泉」各種の試飲ができるのがうれしい。純米は米の味と酸味が強くとがったあたり、純米吟醸は果実の吟醸香ならではの甘さが膨らみ、純米吟醸福の香は説明にある通り梨のようなみずみずしい甘さが爽快だ。米焼酎の「玄武」も控えているが、まだ鶴ヶ城を歩くのでここまでに。