
新津経由磐越西線で、11時前に会津若松着。天気は上々、夕方まで全域歩き回ってみましょう。
駅からは大町通りを直進、地元向けの古い商店街風情で、会津商人魂の幟がひるがえる八百屋はじめ時計屋、風呂屋、瀬戸物屋など、今はあまり見られなくなった商店も。彼岸獅子の絵が入った「大町通り」の布看板も見られ、雰囲気を出している。赤煉瓦造りの物産店「まちかど伝承館」でこけしや陶器など骨董民芸の展示を見て、先へ進むと土蔵の商家が目立つように。小野寺漆器や現代的な坂本コレクションなど、白壁の漆器店も増えてくる。
赤壁の伊勢屋製菓を過ぎると、筋違いの交差点・大町四ツ角があたりの中心街。七日町通りへ折れると、ソースカツ丼を出す街の食堂や「会津」を名乗る居酒屋、昭和のおもちゃや雑誌を展示する博物館など、沿道は庶民派やレトロなラインナップに。その中央に、白木屋漆器店の石造りの洋館風の建物が、昭和レトロの雰囲気をかもしだす。周辺にもそのような建物が数軒並び、かつての会津若松の栄えた商店街風情をとどめている。
白木屋の店舗は大正2年に建てられた、土蔵造り三階建ての洋館だ。創業300年の歴史があり、落ち着いた雰囲気の店内には1000点を越す漆器が常時展示され、産地価格で販売されている。店内の漆器は椀や盆などの名品のほか、普段使いの手頃な値段のものも多く、子供用や日用品も。蒔絵の小箱も和風だけでなく花の絵柄のものがあったり、現代風のデザインや用途がよくわかる。
2階は高価な品がガラスケースに入り並び、美術館のよう。水差しの盃、丸盆などに混じりペン軸や靴べらやフォトフレームは贈答品用か。隣接して会津塗の資料館もあり、花塗などの技法を紹介している。花塗は会津塗が得意とする手法で、上塗りの漆の艶を生かした塗立て手法。暖かい手触りでしっとり濡れたような潤いを与える。
あたりは会津塗の店が多いので、もう一軒じっくり見てみましょう。