最初に夜の街を見てから、国道1号を渡り、ときわ町記念商店街から町の中心部へ向かう。桑名市総合医療センターの手前に石道標があり、観察すると隣接の薬局が置いた、店舗と駐車場の案内標識。本物の東海道の道標と見間違えるほどよくできており、シャレなのか景観に配慮してなのか。延命地蔵、角の八百屋など以前のままのポイントを過ぎたが、落書きだらけでやってるのか不明の古びた洋食屋「センチュリー」はノーチェックだった。

京橋町周辺は寺院がまとまった寺町で、中心となるのが桑名別院こと本統寺。徳川家茂や明治天皇が宿泊した由緒あるお寺で、桑名御坊とも称され地元では「ご坊さん」と親しまれている。大屋根の本堂が建つ広い境内には、芭蕉の野ざらし紀行の冬牡丹句碑など見どころも多い。寺町通り商店街のアーケードに面して山門があり、買い物の途中で荘厳な門が覗ける。

寺町通り商店街は、これら寺町の門前にあたる、ローカル風情あふれる庶民派商店街だ。朝とれの活けハマグリを売る鮮魚店、時雨煮を売る総菜屋、地元御用達の鬼まんじゅうや水まんじゅうの和菓子屋など、土地に根付いた掘り出し物にあふれている。中にはスーパーボールやくじなど懐かしの玩具店、木玉を売る木工芸店、今は見られなくなった豚の蚊取り線香なども。出口付近は仏壇仏具に、「桑名のユニクロ」といえる規模の?用品店も。

アーケードの切れ目からは、寺町の土塀や山門もチラリ。市内中心を貫く、隣の堀川沿いの遊歩道と合わせて散策したい。