八雲神社から中町商店街まで戻り、アーケードを抜けておろち通りを渡ると、そのまま本町通り商店街へと続く。こちらにはアーケードはなく、歩道にかかる屋根の柱が緑色でに塗られ明るい雰囲気だが、店舗の様子は中町商店街の延長らしく、やや閑散としている。

商店街に入ってすぐ、浜屋こうじ屋手前の路地を右に折れてやや行くと、駐車場のような広場の一角に、石垣で囲まれた小山がある。これはなんと「古墳」。塚山古墳は横穴式石室を持つ古墳で、当時はかなり規模が大きなものだった。近代になり市街化により削られながらも、現在もなお石室の部分が現存している。

石室の入り口は鉄格子の扉で施錠されているが、隙間から中の様子は分かる。幅1.7m×奥行き4.5m×高さ2.3m、奥壁と側壁とも凝灰岩の切石積みで、天井石は巨大な自然石なのだそう。四角い空間は壁面がきれいに石積みされていて、近年置かれたっぽい観音像が奥に鎮座している。墳頂にも登れるようで、石段を登ったところに「興隆大明神」と読める祠が配されていた。ここは後年に地元の鎮守・氏神とされていたようで、2mちょっとの高さながらぐるりと市街を見回してみる。

この先にはさらに規模が大きかった、今市大念寺古墳もあるのだが、十分歩いたのでこれでさんぽは終了。出雲大社の玄関口的な街ながら、町並み観察にご利益の社に古墳参拝まで、小一時間で楽しめる要素が充実していた。今度の松江〜出雲の旅の途中、穴場?の出雲市に泊まって歩いてみるのも、オススメですよ。