大橋川から東本町に入ると、きれいに整備された京店に比べ生活感があふれる街並みが残る。川魚漁師の家が点在する大橋川端から、まずは船玉稲荷神社へ。松江藩の海上輸送を担う「御船屋の鎮守」で、海運の守護神とあった。あたりはその船員「御水主(みこ)」の住まいがあったところで、今も居酒屋寿々喜、なかしま旅館など、料亭や旅館に混じり古い民家が点在している。

松江新大橋の北詰まで戻り、さらに進むと地図によると「とうほん街」という一角に入る。老舗の大きな商家も点在。地酒「豊の秋」ほかみりんや料理酒が評判の「米田酒造」を過ぎたらいわゆる夜の街だが、こちらも古商家を活用しているので、カラフルながらローカルな風情が歩いていて楽しい。ビルの中に入ったお地蔵様「柳地蔵」は、松江六地蔵にも数えられる、室町期から続く地域の鎮守。番傘が掲げられた縁台もあり、一休みにもオススメだ。

大橋北詰の交差点の角を押さえるように構える、古美術松尾の建物を見て、京店へと入りましょう。