神泉の路地にある奄美料理の店「土濱笑店」にて、龍宮×手作りジマム豆腐(ピーナッツ豆腐)。世界遺産の話題も上がる南方の離島の話題を肴に飲むなら、希少な島焼酎に素朴な島の手作り肴での、このコンビが似合う。

神泉の路地から階段を登り、ガラリと戸をくぐればそこは島の店。馴染みの家庭的な雰囲気に、ただいまの一杯は島焼酎から始まる。定番銘柄から順に攻め、酔いが深まったところで幻の一杯。とろーり喉を撫で落ちる黒糖焼酎の艶かしさに、さっぱり香ばしい島豆腐のしっかり感。交互にいけば一瞬、カッと日差しが差し抜けたような、束の間の暑さを垣間見る。亜熱帯への軽い誘いに、杯とともにも気持ち飛び行く一期一会。

全国各地を巡りながらも、訪問機会のなかなかない島。自然も人も日本の原風景が残ると聞き、いつか必ずの思いを熱く契る、いつもの店での毎度の杯。一献一品の小さな酒宴、ゆるゆる天下泰平なり。