
駅そばの山吹町にある焼鳥屋「備長扇屋」にて、白ホッピー×レバーフライ。久方ぶりの劇団公演の感想を擦り合わせながらの飲みなら、箱から数秒のお手頃焼鳥屋にての、このコンビが似合う。
三幕の舞台の興奮冷めやらぬ中、手近な店へ飛び込んで喉の潤しのひと瓶から。焼き鳥煮込みにポテサラと、空腹を埋めながらの感想感嘆に、テンションも昇華されていく。麦香ばしい下町の割り酒には、肴も下町のざっかけなさ。喉に刺さる刺激のとんがり焼酎を、ダボダボソースの薄手のフライがまったりと受ける。主張強い演者も受ける相方あってこそ、酒場の一角にてからみもつれ膨らみゆく一期一会。
舞台で躍動の主賓を待ちながらの酒は、互いの解釈をああのこうのと賑やかに続く。感ずるまま言うも自由な、酒場のプチ評論。この上ない結構な話の肴に、終幕から終電までの時間の短すぎることといったら。一献一品の小さな酒宴、喧々轟々天下泰平なり。