
気仙沼市街の復興屋台村は2カ所あり、紫町のが地元向けで一杯飲み屋やフカヒレの旭寿司がある。気仙沼横丁は定食、ホルモン、ラーメン、寿司など幅広く、昼は11時ごろから営業しているので、気仙沼を出る前のランチで訪れてみた。お目当ての「大漁丸」は、施設の中央にある、魚系の居酒屋だ。おばちゃんと姉さんの2人でやっていて、店内は狭いながらも活気がある。壁いちめんに来店者の記念写真があり、カウンターには酒瓶がずらりと並ぶ様が、地元のお客が普段使いしていることが伺える。
目当てのカジキマグロは本マグロ、サメに並ぶ、気仙沼漁港の遠洋ものの水揚げ魚介。刺身定食や中落ち丼などもあるが、地元で食べる地魚料理らしいものをいただきたい。中骨唐揚げにライスと味噌汁を付けて、定食にしてもらった。中骨ごとついた身を揚げてあり、バクっといくとガチリ、グニャリとした食感。中骨付近は白身とゼラチン質が骨にへばりついていて、なかなか外れず上の前歯でこそげると、クニクニと味が染み出てくる。ほじりすすりは手間な分、凝縮した身の味がしっかり楽しめる。手と口がぬるぬるになるがお構いなしで、これぞ漁港らしい食材を使い切る料理だ。
気仙沼滞在でマグロカツ、フカヒレ寿司に続いてカジキと、遠洋の水揚げ魚種3種を制覇。最近は背びれの付け根をすすり食べる、カジキの「ハーモニカ」という部位が人気らしい。骨がしっかりしていて、間ごとに身が均等に入っているので、ひとつひとつ吸いながら食べるのが名の由来という。お姉さんにこれを食べに来ます、と再訪を約束。店を出る際に復興ステッカーをいただいた。