
広電十日市町電停を見下ろす「チャテオあくさん」にて、グラスワイン赤×和牛ヒレステーキ。広島に帰った旧友との再会なら、知る限り広島ナンバーワンの特別な店で語らいながらの、このコンビが似合う。
瀬戸内界隈の旬の燻製に舌鼓を打ちつつ、話の盛り上がりに合わせての主菜が、ジュワジュワ刺激的な音とともにサーブ。俺の肉ならぬ俺たちの肉が、泣くどころか叫びながら宴席と食欲を盛り立てる。肉一切れに岩塩一粒とのご主人の勧めは、赤身の自然な実力をグンと引き出す魔法。やや渋でボディの強いグラスが、赤赤同士ぶつかる黄金律を奏でる。広島にて洋食で贅沢の極み、ご馳走じゃけんぶちうまいのう、の一期一会。
相方は酒を飲まないながら、地域のための話の熱は、グラス空け続ける自分をもリードする。東京にいても当地に来ても、関わる方々の合言葉は変わらぬ「瀬戸内はひとつ!」だ。一献一品の小さな酒宴、ほいじゃけん天下泰平なり。