「二度目の広島」または「二日目の広島」が、このたびの訪問のひとつのテーマ。原爆ドームや平和公園以外の旅の目的を、あれこれ探し歩いている。

宇品に続いてやってきたのは、比治山公園。標高70メートルほど、都心にある自然林の小山として、市民の憩いの場になっている。文化エリアを巡る前に行った一風変わった見どころは、加藤友三郎銅像台座。首相を歴任し元帥海軍大将だったそうだが、あるのは文字通り台座のみ。説明の銘板も、外されて枠しかない。

戦時の金属供出で、銅像も銅板も提供して以来そのままなのだが、「復元せず、あえてないままなのに意義がある」との案内人の言葉。あるべき空間を凝視して何かを感じねば、と感銘したりする。