
その豪壮な建物で人気の道後温泉本館だが、内湯(一番安いやつ)は割と普通な印象を持つ。一方、商店街中ほどにある「椿の湯」は、建物は今風だが浴室はなかなか。このところの松山行きの際には、本館よりこちら推しになっている。
浴室は本館より広々していて、天井が高く開放感があり、どこか大正モダンなハイカラさ。湯釜には正岡子規の句が記され、花崗岩の浴槽はあたりが優しい。湯もなめらかやわらかで、浴槽の縁を枕に温泉発見の所以である白鷺のレリーフを見上げながら、ぼんやり湯浴みができる。最終夜も、おかげで天下泰平なり。
※浴室の画像は公式から拝借しました。