
東京駅ナカ・グランスタダイニングのKINOKUNIYAentréeで買った、赤ワインJ.P.CHENET×チーズセレクションのゴーダ。晩酌にはちと早い列車での旅立ちなら、ハーフボトルより少ないパックワインにカップサイズチーズの、このコンビが似合う。
狭い窓枠にちょこん、と乗っかる小振りな酒とアテは、酔い過ぎず満腹にならずの適量か。発車のベルとともにキュッとキャップをひねり、プラカップにコプコプと注ぎこみ、至福の時がさあ始まる。有楽町の灯りを見送りつつ、ちょいとひとなめしてチーズのブロックをさくり。赤さ麗しい軽い酸味がじっとりと回ったところで、ゴーダの豊かさにパックをまた握る。流れる景色とともに流れるように酔う、雪の闇に疾走の一期一会。
まるで豪雪の北国に赴くかのような、雪の車窓が広がる西への旅路。白一色の眺めがややゆらめいて見え始めたのは、心地よい列車の揺れのせいか、いつになく小洒落た趣向の誘惑なのか。一献一品の小さな酒宴、まもなく天下泰平なり。