地鶏料理の店「ふくの鳥」にて、れんと水割り×寒ブリの琉球。忘年会シーズン中盤に弾みをつけて飲むなら、宮崎の郷土漁師料理に奄美の焼酎の、南方系ならではなコンビが似合う。

鶏皮、砂肝、生レバと、鶏尽くしコースの中ほどに、キトキトブリのつくりが鮮烈。透けるような薄い身を通して、イキの良さが光り見えるよう。プチリと割った黄身をからめ、トロリシャキリとつまんだところで、黒糖焼酎をクッといけば、ほの甘い香りと舌触りが、滑らかに品良く受け止める。名の地が所以の魚料理に手つかずの自然の島酒、海を越え当地で邂逅する一期一会。

旅を生業とする仲間の宴は、重なる杯の数だけ盛り上がっていく。遅めのスタートが運の尽き、仕上げはいつものしんみち通りで、終電深夜バスをカウントダウンしながらの流れ酒か。一献一品の小さな酒宴、懲りずに天下泰平なり。