
昨日の熱海の話でひとつ書き忘れたのが、宿の朝食のおいしかったこと。「ホテルアイオラ」というB&B6000円弱の宿で、値段からビジネスホテルにありがちな、パンやおにぎり程度のバイキングと思い込んでいた。ところが膳は個別に用意され、ご飯は温かいのがおひつで、椀物も熱々が追って配される細やかさ。
何より感激したのが、熱海名物のアジの干物だ。地元産のが焼き立てで供され、身が厚くふっくらみずみずしい。干した側がパリッ、中はほっこり身が外れ、身の味が干した分軽く凝縮している。かつては「伊豆や熱海のアジの干物は、ほとんどが外国産のを工場で乾燥させたもの」とか言われたが、街を歩いていても「地物使用」「手作り天日干し」などの看板も見られ、名物として復権しているのが食べてみても分かる。
おまけが宿名物の源泉蒸しで、中庭にある蒸し場で蒸したてのゆでたまごがついた。思えば朝食は宿ライフの最後を飾るもの。宿泊全体の印象を決めることにもなるから、しっかり力を入れてほしいものだ。