
野球場で飲むビールは、なぜこんなにもうまいのだろう。アウトドア、猛暑、夕刻から夜へ、スポーツイベント。いざない要素がこれだけ揃えば、杯が進まぬ訳がない。冷え冷えのジョッキやキンキンの缶じゃないのは仕方ないが、ペコッと頼りない口当たりの紙カップがまた、 球場ビールのテイスト。空いたカップの底を抜いて、即席メガホンで声援を叫び、のどが枯れてはまた観戦ビール、のローテーションが止まらない。
そしてアテは、かさばらず持ちやすく、贔屓チームのご当地感があれば言うことなし。泉平のいなり、勝烈庵のカツサンドなど、ハマの老舗テイクアウトは観戦に便利なワンハンドフード。崎陽軒のシウマイなら、9個入りミニサイズがオススメだ。楊枝で口に放り、グシュッとかめばパンパンの豚肉のコク。湿りがちな打棒にとまったビールも、二つ三つつまめばまたグッと傾きはじめること請け合いだ。
敗色濃厚な終盤に、思わぬ逆転ホームラン! ビールカップをホルダーへ、膝の肴をイスの上へ。もどかしく嬉しい手続きのあとは、スタンディングで思いっきりバンザイ三唱。今宵5カップ目はハマの勝利を祝い、当地がルーツのキリンでいきたいところか。