桜の葉っぱに包まれたピンク色のを、つい先日味わったばかりに思えるのに、もう柏の葉っぱのが登場。日々の流れは早いもので、今年は五月晴れの下で端午の節句を迎えられた。スーパーや和菓子屋の店頭に並ぶ、この時期の柏葉の瑞々しさ。その色味はまさに、五月を彩る葉の色である。

厚手の白餅をバクッといけば、しっとりモチモチな食べ応えから、パッと開く小豆餡の澄んだ甘さ。つぶあん、こしあん、味噌あんと、詰め合わせならバリエーションも嬉しいところだ。モグモグやっていると時折サッと漂う、青臭い野の香り。見た目とともに初夏の趣を演出する、柏葉あっての和菓子なのを実感する。

連休が明ければ、空の青さも木々の緑も、いっそう濃さと輝きを強めていく。柏の葉もこの時期から古い葉に代わり、春先に芽吹いた新芽が青々と葉を広がるという。我々も五月人形を仕舞ったら、すぐに衣替えを迎える時期。季節は新緑から夏へ向け、まっしぐらに進んでいく。(130514)