
岡山駅の駅弁を、私的に高評価している。瀬戸内海のローカル魚をふんだんに使っているせいもあるが、あまりひねらず素材勝負のシンプルさに好感がもてる。祭り寿司、ままかり寿司、たこめしといった、ネーミングもこれまたシンプル。実質本位の郷土めしが、そのまま駅弁になった感じである。
サンライズ出雲号の朝一番の停車駅・岡山駅は、切り離しで6分停まるため、朝ごはんの駅弁入手ポイントだ。購入した「磯めし」もシンプルなネーミングで、岡山駅弁の流れから期待が持てる。
中身は岡山のブランド魚・サワラをはじめ、イイダコ、エビ、アナゴと、近海底引き網のローカル魚介が盛りだくさん。白醤油で焼いたサワラの切り身は上品で、ご飯にほぐし身も混ぜ込んであるのが泣かせる。甘辛くホクホクのアナゴ、ソフトな弾力のイイダコが対照的な濃い味で、ご飯が進む進む。
そして、磯めしの名に納得の味が、藻貝の煮付け。見た目はミニ赤貝のようで、名の通り海藻が自生する場所に生息するため、潮の香が炸裂するインパクト。まさに、磯の岩礁に腰掛けてかっ込んでる気分になる。
この駅弁、赤穂線開業50周年を記念して、40年前の駅弁を復活させたものらしい。赤穂線沿線には漁業基地・日生があり、瀬戸の地魚オールスター揃い踏みの内容も納得か。今日はサンライズ出雲なので、山峡を蛇行する高梁川の渓谷を見ながら味わったが、サンライズ瀬戸で瀬戸大橋から、これら魚介を育んだ多島美を眺めつついただくと、さらに味わい深いかも。