東海のりもの風土記 | ごんたのつれづれ旅日記

ごんたのつれづれ旅日記

このブログへようこそお出で下さいました。
バスや鉄道を主体にした紀行を『のりもの風土記』として地域別、年代別にまとめ始めています。
話の脱線も多いのですが、乗り物の脱線・脱輪ではないので御容赦いただきまして、御一緒に紙上旅行に出かけませんか。

「北陸のりもの風土記」は如何でしたか?

 

僕が生まれた土地ですので思い入れが強く、訪れた回数も多く、記事の数が増えました。

高速バスばかりでなく、鉄道、航空機など乗りたいモノが多く、日本海に沿って東西に細長い地域を1つの旅で行ったり来たり、お前は何処に行きたいのだ、と言われかねないのも特徴で、乗り物マニアの真骨頂のような記事も少なくなかったですね。

しれっと新作も混ざっていまして、特急「しらさぎ」の初乗りや佐渡への渡航、青春18きっぷで只見線を訪れた記事などは、我ながら書いていて楽しいひとときでした。

 

さて、次は東海地方です。


東海地方と言えば、僕が思い浮かべるのは静岡、愛知、岐阜の3県なのですが、「東海三県」と言えば愛知、岐阜、三重を指すようです。

ならば、静岡県は何地方に含めるのか、と首を傾げてしまいますが、そもそも「東海」は古代の行政区分である「東海道」に由来し、現在の三重県から茨城県に至る太平洋沿岸の地域を指していたようです。

「東山道」に属する岐阜県は含まれず、「広辞苑」でも、東海地方は「静岡、愛知、三重と岐阜の一部を指す」と書かれています。

 

なるほど、と思わせるのは「日本大百科全書」で、東海地方の項で、「従来の自然地理区では静岡、愛知、岐阜の3県を指すが、最近では中京圏の形成によって三重県を含める場合が多く、愛知、岐阜、三重を東海三県というケースが多くなっている」と記されています。

どうやら「東海三県」は名古屋を中心とする「中京圏」と同じ意味で用いられ、岐阜と三重は中京圏から外せないようです。

 

ならば、静岡を含めて「東海四県」と呼べば良いではないか、と僕は思ってしまうのですが、静岡県は、財務局、地方厚生局、地方運輸局、国税局、出入国管理局、税関などが名古屋に置かれた機関の管轄であるものの、裁判所や警察、法務局、地方農政局、経済産業局、地方防衛局などは東京・関東の機関の管轄下に入っています(以上、中日新聞の記事を参考にしました)。

 

つまり、国家機関の一部は、静岡県を東京圏と分類しているようで、もしかすると、静岡県の方々も同様にお考えなのかもしれず、「『東海のりもの風土記』に静岡を含めるとは何事か、『関東のりもの風土記』に入れろ」と怒られてしまうのかもしれません。

そして、「東海三県」である三重県は、近畿地方を細分化して「紀伊半島のりもの風土記」に含める構想ですので、「東海のりもの風土記」に含めませんでした。


このように頭を悩ませる作業を、一方で楽しんでいるのも事実です。

SF作家の小松左京氏が、高度経済成長期の我が国をルポした「日本タイムトラベル」で、中部地方の地図を見ながら呟いた一言が、僕は忘れられません。

 

「この地域は、なんだか宿命的に“境界線の国”だよな」

 

さて、静岡、愛知、岐阜の3県に関わる旅を記した「東海のりもの風土記」ですが、際立つのは記事の数、取り上げた交通機関のあまりの少なさです。

え、これだけ?──と、僕も驚きました。

東京から西へ向かう旅で、この地域を行き来したのは、かなりの頻度にのぼるだからです。


理由は、すぐに判明しました。

この3県を発着する乗り物を利用したのは、更に遠くの北陸、関西、中国、四国、九州への旅の途上で、東海地方で完結した旅は、意外と少なかったのです。

そのため、東海地方の乗り物は、今後、別の地域の「のりもの風土記」でも多数登場することになるのでしょう。

 

これまでになく言い訳の多い幕開けになりましたが、「東海のりもの風土記」、数は少なくても、僕の高速バス初体験の路線をはじめ、楽しい思い出がたくさん詰まった乗り物ばかりですので、どうぞお楽しみ下さい。