002 温泉水の中に生きる生命体 | カラダにいい水いい温泉 朝倉一善のブログ

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このブログでは、私が体験取材した、心と身体にいい水・いい温泉・飲用できる温泉(源泉)水についての情報を中心にお知らせしていきます。


2600メートルの海底にバクテリア


前回のブログで、

「地球最初の生命は海底火山による海底温泉のような環境

下で雷や紫外線が作用して誕生した」

と書きました。


実は、海底火山の噴泉の中に当然存在する物質を使って“生

命の元”を作り出す実験をした化学者がいるのです。


アメリカ人化学者のスタンリー・ロイド・ミラーは、シカゴ大学

の大学院生だった1953年、指導を受けていたハロルド・ユーリ

ーの研究室でメタン、アンモニア、水素からなる気体に水蒸気

を送り込み、高圧下で火花を放電させる実験を行いました。

すると、一週間後、そこには生命の元となるタンパク質をつく

るのに必要な二種類のアミノ酸、グリシンとアラニンができて

いたのです。


この実験は、原始地球の環境で有機物(アミノ酸)が生成され

るかもしれないということを示した、最初の実験といわれてい

ます。


そして、実際に今現在も、海底火山の噴泉の中に生きている

生命体が見つかっているのです。


それは1979年、アメリカの潜水調査船アルビン号がメキシコ

沖の深海2600メートルの海嶺(海底山脈)の熱水鉱床の調査

で二枚貝やカニなどの群れを発見したことがきっかけとなりま

した。


なぜ、光もまったく届かず、それゆえ海草なども育たない深海

底に生物の群れが生きていられるのか?


調査チームが詳しくその場所を調べたところ、


350℃、260気圧という海底火山の噴泉


の中に、硫化水素や二酸化炭素、硫黄・鉄などの金属ミネラ

ルを取り込んで生きるバクテリア(シアノ・バクテリア)が生息し

ていることがわかりました。このバクテリアを食べることで、そ

こにいる生物たちも生きていたのです。


前回のブログでもふれたように、

私たちの体の中で、自ら作り出したタンパク質の一種である

酵素がミネラルを摂り込み生命活動に必要なあらゆる化学反

応を行っているというのも、こうした深海の海底温泉のような

環境下で誕生した原始の生命の生命情報を受け継いでいる

からに違いない、と私は考えています。


前述の、スタンリー・ロイド・ミラーが行った実験の続きのよう

な実験が日本で行われています。


三菱化成生命科学研究所では、原始の海にあったと考えら

れる数種類のアミノ酸を水に溶かし、それを高度な圧力釡に

入れて、深海の環境に近い、


250℃、130気圧にして


約6時間おいたところ、直径2ミクロンほどの細胞状の物質が

できたということです。これが原始生命体の細胞膜にあたるも

のと考えられています。


イエローストーンのバクテリア

バクテリアというのは、最も原始的な単細胞生物(細胞分裂し

ない、単一の細胞で生きる生物)のことです。


前j述のようなバクテリアは、深海だけでなく、陸上の火山によ

る熱泉水の中でも発見されています。


イエローストーン国立公園というのがありますね。

世界遺産(1978年登録)にして世界最初

(つまり最古=1872年指定)の国立公園。

アメリカのワイオミング州にある、アメリカ最大の火山地帯で

す。

火山による熱泉の中に溶け込んでいた炭酸カルシウム(石

灰)が空気にふれて固まった、“女神のテラス”とよばれる神

秘的な美しさのミネルバテラスが映像や写真で紹介されてい

るのをご存じでしょう。


100℃近い熱泉が泥を噴き上げる光景も見られます。

ただの熱泉ではありません。

水素イオン濃度のpH(ペーハー)が1という強酸性。

私たち人間の胃の中で食べ物を消化する胃液の

pHが2前後ですから、その強酸性度が判ります。

衣類がふれればボロボロになるほどです。


朝倉一善のブログ-イエローストーン国立公園内の熱泉

イエローストーン国立公園内の熱泉。黄色の部分はバクテリアによる  by Google


ところが、何とこの高温・強酸性の熱泉の中に生きて活動す

る生物がいるのです。


それは、バクテリアのスルフォロバス


このバクテリアも、あの深海底の火山熱泉の中のシアノ・バク

テリアのように二酸化炭素や硫黄を摂り込みエネルギーをつ

くって生きているといいます。


スルフォロバスは、地球にまだ酸素がなかった、酸性の海が

広がっていた頃から生きていた最も原初的な生物の一種と

考えられているのです。


がんをはじめとする難病患者が湯治に訪れることで知られる

日本の玉川温泉(秋田県)も、泉温98℃、pH1.05という高温・

強酸性。

適温にしての入浴や10倍希釈による飲用も行われていて湯

治効果の一翼を担っています。


やはり100℃近い熱泉が30メートルも噴き上げることで有名な

峰温泉(静岡県)では、80℃もの源泉の中から生きた好熱菌

(好熱性細菌)サーマス・サーモフィルスが発見されています。


このサーマス・サーモフィルスは、ウイルスから大豆、納豆、

貝類、キノコ類から人にいたるあらゆる生体内に含まれ、

細胞分裂や蛋白合成に関わる成長因子のポリアミンをもっ

ていることが、発見者の生化学者・大島泰郎氏のブログ


http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientistweb/no43/index.html


でふれられています。


生命の起源に近いころの生物の仕組みに温泉が関わってい

たことを想像させる、これもひとつの例だと、私は考えている

のです。