12月12日(水)。
第2回「幸せになる勇気」を読むお茶会 終了しました。
大分市玉沢 くろがねの家にて。参加者はのべ11名。
前回同様、皆さんに青年のセリフを読んでいただき、わたくしが哲人の言葉を読みました。
こうすると、わたくしも対話の内容に集中できてたいへん快適です。
では、今回の内容をまとめます。
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第2部『賞罰を否定する』
・教室はひとつの民主主義国家であり、その主権者は教師ではなく、生徒たちである。
・子どもは、命の価値や他者の痛みを「知らない」せいで罪を犯している可能性がある。
⇒必要なのは、叱責ではなく、教えること。
・問題行動に隠された「目的」に注目する。
・【問題行動の5段階】
《第1段階》…「称賛の要求」
いい子、優等生としてみとめてもらおうとする。
そのためにはカンニングや偽装工作もする。
目的は「ほめてもらうこと」「共同体の中で特権的な地位を得ること」
《第2段階》…「注目喚起」
ほめられなくてもいいから、とにかく目立ってやろうと考える。
特別にわるい子、できない子として振る舞う。
目立つことで特権的な地位を得たい。確固とした「居場所」を得たい。
《第3段階》…「権力争い」
暴れたり、万引き・喫煙など、ルールを破ることで、親や教師に戦いを挑む。
「反抗」「不従順」によって自らの力を証明する。
《第4段階》…「復讐」
かけがえのない「わたし」を愛してくれなかった人に、愛の復讐をする→「憎しみ」を求めるようになる。
相手が嫌がることを繰り返す――ストーカー、自傷行為、引きこもり等。
「こんな自分になってしまったのは、お前のせいだ」と訴える。
《第5段階》…「無能の証明」
自分がいかに無能であるか証明しようとする→愚者を演じ、自らも「愚者としてのわたし」を信じ込むようになる。
「なにも期待しないでくれ」「わたしに構わないでくれ」「わたしを見捨ててくれ」
※5段階すべて、目的は「所属感」つまり「共同体のなかに特別な地位を確保すること」。
・学級内で暴力沙汰の喧嘩が起こった場合、教師のやるべきことは原因究明ではなく、彼らの「目的」に注目し、彼らと共に「これからどうするか」を考えること。
・コミュニケーションの目標は、合意の形成である。
・暴力とは、議論という手段を経ず、相手を手っ取り早く屈服させるための、コストの低い安直なコミュニケーションである。
・「叱る」という行為も、生徒を手っ取り早く屈服させるための「暴力的」なコミュニケーションである。
・「裁判官の立場を放棄せよ」――守るべきは法や秩序でなく、「目の前の子ども」である。
・「怒りとは、人と人を引き離す感情である」――怒りや暴力を伴うコミュニケーションには、尊敬が存在しない。
・カント…「人間が未成年の状態にあるのは、理性(能力)が欠けているのではない。他者の指示を仰がないと自分の理性を使う決意も勇気も持てないからなのだ。つまり人間はみずからの責任において未成年の状態にとどまっていることになる」「自分の理性を使う勇気を持て」
・大人たちは、子どもたちを「未成年の状態」に置いておこうとする……自分の支配下に置いておくため。
→自立されるのが恐い(縦の関係を崩されることが恐い)。
→自らの保身(子どもが他者に迷惑をかけた場合の責任を問われることを回避する)。
・教育者やリーダーは、子どもや部下の「自立」を目標にせねばならない……「依存」「無責任」の地位に置かないよう注意する。
・幸福の本質は「貢献感」……感謝やねぎらいの言葉を期待するのでなく、彼らの自立に貢献できたことに幸せを見出す。
・子どもに、自分の人生は自分で決定するものなのだと教え、それに必要な知識や経験を提供するのが教育者のあるべき姿である。
・子どもの決断を尊重し、援助し、見守る→子どもは「自分の人生は、自分で選ぶことができる」という事実を学ぶ。
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「熱いコーヒーを淹れますので、少し落ち着いて頭を整理するといいでしょう。」
第2部の最後は、哲人のこの言葉で締めくくられています。
わたくしたちも、M子さんの淹れてくださったコーヒーをいただきながら、しばらくお喋りしました。
今回のお菓子は、M子さんの旅行のお土産です。
あんこの甘さにほっと心が緩みます。
子どもの頃はつぶあんが苦手だったのに、いつから好きになったのでしょう?
M子さま、ごちそうさまでした。
ご参加の皆さま、朗読お疲れ様でした。
次回もよろしくお願いいたします。
《第3回「幸せになる勇気」を読むお茶会》
日時 2019年1月16日(水)13:30~15:30
場所 くろがねの家(大分市玉沢724)
料金 500円(お茶とお菓子が付きます)
※「幸せになる勇気」をご持参ください。
※できれば、「嫌われる勇気」と、「幸せになる勇気」第2部までを読んでからお越しください。
※参加ご希望の方は、kazenomajo@i.softbank.jp までご連絡ください。