以前、ご紹介いたしました、

詩人 豆塚エリさんの新しい詩集を入手いたしましたので、ご紹介いたします。


(前回の記事はこちら 
 導かれるわたくし達 豆塚エリさんのこと 前編    
導かれるわたくし達 豆塚エリさんのこと 後編







ぽつり と落ちた

雨粒に

含まれる 昨日のわたしの涙は

いったい

どのくらいなのだろう


…………


かなしみは ほほを伝って

わたしから逃げていく

居場所を求めて

くるりと世界をめぐる

ひとりぼっちの

かなしいかなしみ




「かなしみ」











さあ

もう布団にもぐっている場合じゃない

膨らむカーテンを

思いきり開いて

光を浴びよう

思い出は感傷とともに

畳んで押し入れにしまったかい



おろしたての制服は

知らない匂いがする

けれどきっと

君が着ることを待ち望んでいるんだ



「青写真」









ガラス瓶のかけらみたいな

ささやかなうつくしさを

いつだって捜し求めようとして

けれど

喧噪だらけのこの街で

孤独なにぎやかさに

めまぐるしく過ぎる日々に

目が見えなくなってきているのを

電車の窓に映る自分の顔に

痛感する



…………


電車は今日も

同じ時間に発車する



「駅のホームで」










世界はコトバに囚われた



森は限りない色彩を奪われ色褪せ

風の歌はまるで喘息の子供のよう

ひとは傷つけることにひどく怯え

私は

みずみずしい手のひらを

鈴の音のような声を

澄んだ瞳を

広がるこころを失って

乾いた骨になった



…………



愛はコトバに隷属した

ただ 愛したかった

いつまでもそばにいて欲しかった

それだけだったのに

がんじがらめにした手の中には

なんにもなかった




「あの雨の日の君の叫びはコトバにできなかった」










愛おしいあなたのために

海の泡になるなんて御免だわ

ルビーをあしらった

銀の探検を持って

十二時の鐘が鳴るまで

刺すような足の痛みに耐えて

ひとり ワルツを踊り続けるの

乙女の魔法が解けたなら

ガラスの靴を片方だけ残して

あたし 貝殻を探しに行くわ




「作り話」



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エリさんは、7月20日に富士屋ギャラリーにて開催された風の音書店ライブに来てくださいました。

残念ながら言葉をかわすことはできませんでしたが、

木陰に横たわる野生動物のような瞳で

じっくりと聴いてくださっていました。


「みどりのゆび」には、精神的な原因で足が動かない女の子が出てきます。

その足が、ティト少年の持つ不思議な力によって動き始めます。

エリさんは、高校生の時の事故が原因で、現在車椅子生活ですが、

この女の子の件(くだり)を語る時、ふと、

エリさんのことを考えました。

生きる希望を失うときって、多かれ少なかれ、誰にでもあるとは思いますが、

彼女ほど衝撃的な経験をする人はそんなに多くはないでしょう。

けれど、必ずしも現実の足は動かなくても、

エリさんの魂は、生き生きと、世界を、宇宙を、駆け巡っているのです。

それは、彼女の詩を読めば分かります。

詩を書く、という手段と才能を、彼女に与えてくれた神様に、やみくもに感謝するわたくしです。











エリさんの詩集が欲しい、という方は……


☆ゆぴあ(別府市北浜1-1-20やよいビル1F)

☆雑貨屋さんSELECT BEPPU(http://www.beppuproject.com/space/platform04.html)

☆レコード屋さんReNTReC.(http://slowlymarket.jimdo.com/)

……にて、購入可能。すべて大分県別府市です。

お値段は、500円

*通信販売も可能です。  

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メール便で送ります。

メールアドレス am0530_bungei18☆yahoo.co.jp(☆を@に替える)

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