映画「この世界の片隅に」


やっと行けた

ようやく行けた

ずっと気にかけていたのに

評判がよく上映が延期されていることを確認しつつ近所のシネコンで最終上演日になって  ようやく駆け込んだ

そして  駆け込んで良かった


そこには反戦のシュプレヒコールがあるわけはなく

あからさまな強い反戦メッセージが強調されるわけでもない

昭和8年から昭和20年までが描かれる

そう  第二次世界大戦が始まり終わっていく

そのなかで繰り返される時系列の広島と呉での  すずさんを取り巻く日々

まさに日常

そして  現に起こった事実

そこに注がれる思い

今を生きる者なら誰もが知っている歴史

いわゆる  この映画が時系列に進んでいく  その結末を知っているのに

なんだか  そこを生きているような  ほんわかした空気

世界観

すずさんの声を受け持つ  のんさんの果たす役割は大きい

何かをかけ違えれば  いつだって私たちはすずさんの世界に生きる人になる

そう

そうしてすずさんは懸命に  あの時代を生きて  私たちも懸命に生きていく

すずさんが  見上げる空

すずさんが作るご飯

私たちが見上げる空

私たちが作るご飯

それらを愛しく思う思いに  そして注ぐ気持ちに隔たりはない

だからこそ  そのひとつひとつが愛しいし  登場するすべての人が愛しかった

何を書き留めよえが表現することは難しい

とにかく  この映画に  すずさんに会える人がひとりでも多くあって欲しい

この映画の製作を実現させたクラウドファンデイング

映画の最後に協力した人々のクレジット

そこに流れるピアノソロ曲も限りなく美しい


すずさん  ありがとう

のんさん  ありがとう

そして片渕須直監督  ありがとう  この世界にこの映画を届けてくれて!