「死に体」化進む岸田内閣 支持率最低を更新◆時事6月世論調査【解説委員室から】

配信

 

 

時事通信

参院決算委員会で答弁する岸田文雄首相=10日午後、国会内【時事通信社】

 時事通信社の6月世論調査によると、岸田文雄内閣の支持率は16.4%(前月比2.3ポイント減)で、2012年12月の自民党の政権復帰以降、最低を更新した。政権浮揚への期待がかかる定額減税の物価高への効果についても、「ない」が65.3%で評価に乏しいことが判明。岸田首相の自民党総裁任期切れを9月末に控え、政権の「死に体」化が進んだ。(時事通信解説委員長・高橋正光) 【ひと目でわかる】岸田内閣の支持率推移

続く低水準、自民も

 調査は全国18歳以上の2000人を対象に個別面接方式で7~10日に実施。有効回収率は62.1%。それによると、岸田内閣の不支持率は57.0%(前月比1.4ポイント増)。自民党の支持率は16.4%(同0.7ポイント増)だった。支持率が2割に届かないのは、内閣が7か月連続、自民党が8か月連続。内閣、自民党ともに、超低空飛行が続いている。  内閣支持率を性別でみると、男性17.7%、女性14.9%。世代別では、「18~29歳」(11.7%)と「30歳代」(11.5%)が特に低く、2割を超えたのは「70歳以上」(23.0%)だけだった。  自民支持層の内閣支持率は47.1%(不支持率29.9%)で、2か月ぶりに5割を切った。公明支持層の内閣支持は38.1%(同42.9%)、支持政党なしの内閣支持は9.8%(同60.6%)。無党派層の内閣支持率は、1割程度の状態が続いている。  一方、自民党支持率の男女別は、男性18.6%、女性14.0%。世代別では「18~29歳」(7.2%)と「30歳代」(9.7%)が一けた台で、2割を上回ったのは「70歳以上」(24.6%)だけ。女性、青年世代の支持が特に低く、70歳以上の高齢者の支持が比較的高い点は、内閣、自民党に共通だ。

規正法改正案、7割超評価せず

 今回の調査では、安倍派などの裏金事件を受けて、自民、公明、維新の3党の賛成多数で衆院を通過した自民党提出の政治資金規正法の改正案についても聞いた。それによると、「大いに」「ある程度」を合わせて「評価する」は17.8%。これに対し、「あまり」「まったく」を合わせた「評価しない」が72.2%。  自民支持層に限定しても、「評価しない」(61.3%)がダブルスコアで「評価する」(29.9%)を上回った。裏金事件の当事者である自民党の政治資金の透明化などへの取り組みについて、有権者の多くが不満を募らせていることが読み取れる。  また、改正案に盛り込まれていない企業・団体献金についても質問。「禁止すべきだ」52.4%、「認めるべきだ」19.3%、「どちらともいえない・わからない」28.4%で、禁止派が過半数を占めた。ただ、自民支持層に限定すると禁止派(36.8%)と容認派(35.8%)が拮抗した。