225万円のロレックスが不正購入! 杜撰な「偽造マイナンバーカード」で本人確認を突破? きっかけは“繋がらなくなったスマホ” 対策は?

 

 突然、繋がらなくなったスマートフォン。携帯ショップに持ち込み相談したところ・・・。 【映像】なぜ、「偽造マイナンバーカード」はバレなかったのか?  「『携帯電話を乗っ取られたようです』と・…」(風間ゆたか都議会議員)  「『機種変更してますよ』って。

 

いや、まったく意味が分からない」(松田憲幸市議会議員)  手口は「マイナンバーカードの偽造」。新手のスマホを乗っ取る詐欺が広がり始めている。  一人目の被害者は、東京都の風間ゆたか都議会議員。確認できている被害額はトータルで10万4390円だという。  4月の中頃、突然スマホの電波が入らなくなり、通話ができなくなったという。  確認したところ、名古屋の携帯ショップに現れた男が本人確認用に、風間都議名義の偽造マイナンバーカードを見せ、機種変更した上で、スマホを乗っ取ったことがわかった。  さらに、スマホに紐づけられていた風間都議のクレジットカードが使われ、10万円を超える被害に遭ったという。  本人確認に使われるマイナンバーカードにはICチップも付いているが…。  風間都議は「マイナカードを目視で確認するのみ。(本来は)ICチップで本人確認をするがショップには(読み取り機を)置いていないという」と戸惑いを見せた。

 

本物の署名と偽の署名

 左の写真は風間都議本人の署名、右が偽造マイナンバーカードで本人になりすました男の署名だ。筆跡も違うが、偽物は風間の間という字が「門」になっている。  杜撰な犯行だが、本人確認をすり抜けてしまった。さらに高額な被害を訴える人もいる。  大阪府・八尾市の松田憲幸市議会議員も何者かにマイナンバーカードを偽造され、スマホを乗っ取られた。気づいたときには、キャッシュレス決済で17万円以上が使われていた。  さらに、およそ225万円のロレックスをローンで購入された。  松田市議は「(ショップの説明では)マイナンバーカードの確認は“目視で終わり”のようだ。(マイナンバーカードの)写真はその当事者(詐欺師)だと思う。僕はHPに生年月日も携帯電話も住所も全部載せていた。仕事上、仕方ないと思っていたがこれは考えられなかった」と憤る。  議員として公表している個人情報が、偽造に悪用されたとみられる。  専門家は「議員に限らず、個人情報の管理は慎重にすべきだと」と指摘する。  神戸大学大学院 森井昌克名誉教授は「SNSで個人情報を漏らしてしまう人もいる。非常に注意すべきだ。個人情報を利用して身分証明書を偽造してしまうことがあり得る」と警鐘を鳴らす。  さらに森井名誉教授は「スマホに異変があれば、すぐに携帯ショップに駆け込むべきだ」と言う。  「ある日突然、携帯電話が使えなくなって、アンテナがまったく立っていない場合には、すぐに詐欺を疑うべきだ。詐欺師は、乗っ取ってしまうと1時間も30分もしないうちに、すぐに送金や物を買ってしまうため、1日待っている間に大きな被害になってしまう」  今回取材した、2人の議員の被害について、ソフトバンクは、「現状の対策でも実際にお客様の詐欺被害が発生していることから、最新の詐欺の手口に対応した強化対策を順次導入していきます」と説明している。