こんにちは、かぜのこです。
今回は前回予告したとおり、私が自作したLAAT/iの構造を簡単に解説していきます。
最初に少し前置きをすると、今回私がチャレンジしたLAAT/iガンシップという題材は、
レゴで再現する際の心理的なハードルが少し高く感じてしまう機体だと思います。
「整数比になりにくい斜めの接続はビルドに取り入れるのが難しい」というお話は以前にもしたと思いますが、
LAAT/iガンシップは斜めの面同士の組み合わせでできていると言っても過言ではない形状だからです。
私自身、実際に挑むまではかなり作るのが面倒くさい題材だろうな、計算とかしてちゃんと辻褄を合わせないといけないんだろうな、などと考えていましたが、
結論から言うと小難しい計算は一切無しで、ある程度形にすることができました。
そのため、今回のビルドは厳密に言うと細かなズレなどがたくさんある作品だと思います。
そういう細かなズレが気になるという人にとっては今回の記事はまるで参考にならないものかもしれません。
ただ、今回の制作を通じて私が感じたのは、
「細かなズレさえ気にしなければ、以前に比べて斜めの接続を多用したビルドの難易度はだいぶ下がったのかもしれない」
ということでした。
未完成の作品の構造を解説した記事をアップするというのは、普段であれば絶対にやりたくないことなのですが、
従来は難しいとされてきた斜めの接続に挑戦する際の、心理的なハードルを下げるためのヒントが今回のビルドにあるとすれば、
早めに情報を公開・共有するに越したことはないと考え、今回の更新に至りました。
今回の記事の内容が、志を同じくする誰かにとって役立てられるものであれば幸いです。
それではまず最初に、今回私が自作したLAAT/iガンシップを実際に組み立てる手順を簡単にご紹介しようと思います。
手順を紹介した後、実際に私が制作した過程を踏まえて、
斜めのビルドを作る際に役立てられそうなヒントに関連する話に入ります。
では、さっそく見ていきましょう。
まずはじめに、船底部分から作り始めます。
6×6のプレートと6×8のプレートに、このようにカーブスロープとタイルを貼り付けます。
プレートの裏側に側面スタッドブロックや両側面スタッドブロックを貼り付けていきます。
後部ハッチと外枠部分を取り付けます。
真ん中に柱を建てます。
柱はブロックの両端にブラケットがついている構造となっており、ポッチの向きが逆転しています。
ここの構造は後ほどもう少し詳しくふれます。
柱を建てた後、後方に支柱を伸ばし、後部ハッチの外枠部分と連結させます。
側面前部に位置する部分を作り、片側だけ貼り付けます。
反対から見るとこんな感じです。
コックピット周辺に相当するパーツを配置していきます。
機体前方の下部に位置するライムグリーンの部分はポッチの向きが変更されています。
レーザータレットや側面パーツをくっつけます。
反対側の側面に位置する部分を作り、両側から貼り合わせるようにして接続します。
機体後方の側面パーツと、機体上面のパーツを作ります。
機体前方と同じように、上面パーツを挟み込むようにして側面パーツを貼り付けます。
ハッチを作り、接続します。
翼をつけます。
翼はだいぶ未完成ですね…。
クリップパーツによって接続していますが、今後手を加えるかもしれません。
機体後方の上部にミサイルの収納場所を取りつけて完成です。
以上が、LAAT/i作成の手順です。
かなり端折った説明になってしまいましたが、側面パーツを両側から挟み込むように貼り付けて、
中央の骨組みを安定させている構造だということはわかって頂けたと思います。
次に、実際に私が制作した順番で構造を見ていきたいと思います。
…なんだか二度手間にも思えてしまいますが、実際の制作の手順を踏んだ方が、
どういう思考回路と経緯で完成形に至ったのかが、よりわかりやすく伝わるのではないかと思います。
では、見ていきましょう。
まず最初に作ったのは、機体前部の側面パーツでした。
ここはLAAT/i全体の構造を決定づける箇所と言っても過言ではありません。
斜めの接続を取り入れるのか、あるいは製品版のようにスロープパーツで角度をつけるのか。
今回は、自分がいままで試したことのない作り方にチャレンジしてみようと思い、斜めの接続を取り入れました。
ここで使うウェッジプレートの角度によってもLAAT/i全体の大きさやデフォルメ具合が大きく変わってくると思います。
今まで挑戦したことのない作り方を試したかったとはいえ、
斜めにした角度をどこかで再び真っ直ぐにした方がその先も組み立てやすいだろうな、という直観はあったため、早々に角度を真っ直ぐに戻しました。
ただ、一度斜めで接続してしまった関係上、ポッチの幅などはいろいろとズレてしまっています。
正直、この時点ではまだまだ完成する展望は見えなかったです。
先行きが見えないままの作業を進めようと思うと、どうにも途中で飽きてしまいます。
ということで、機体本体は一度置いておいて、作るのが簡単そうなハッチの扉を先に作ってしまいました。
劇中と同じような開閉を再現するためのパーツ選びはとくに迷いませんでした。
同様の構造を前後の扉で作り、何ポッチ分の間隔を空けて接続すればいいのかを覚えておくためにプレートに仮留めします。
さて、お次はこのハッチをどうやって機体本体に接続するかです。
とりあえず床からどのくらいの高さで接続すればいいのかを見るために、これまた仮のつもりで柱を作りました。
柱の構造はこんな感じ。
ブロックの両端にブラケットパーツを用いることで、ポッチの向きを変えています。
この構造だと高さの調整も簡単です。
画像のものだと、柱の芯に使っているダークグレーのブロックは7ポッチのため、プレート17.5枚分に相当します。
加えて、両端にブラケットがついているため、プレート0.5枚分×2を足して、合計18.5枚分の高さになります。
もし同じ構造でプレート18枚分の高さの柱が作りたい場合であれば、
柱の芯のブロックを6ポッチ(=プレート15枚分)にし、両端につけたブラケットのどちらかにプレートを2枚つければいい訳です。
結局、仮のつもりだったプレートも柱もそのまま採用する形となり、機体本体と扉の接続はうまい具合にいきました。
とはいえ、柱一本では安定しないため、つっかい棒を入れて制作を続けます。
ドアを支えるダークグレーのプレートを安定させるためには、側面に配置したパーツと接続したいものです…。
ここで扉を支えるプレートと側面に配置したパーツの位置関係を確認したところ、
たまたまなのですがポッチの前後はほとんど一致していました。
この画像で言うと、奥のダークグレーのプレートと、手前にある薄いグレーのプレートの位置関係です。
斜めの接続を取り入れた関係上、ポッチの前後にもズレが生じているものと覚悟はしていたので、これは嬉しい誤算でした。
あとはブラケットパーツを使って上下の高ささえ調整すれば、ご覧の通り、見事に接続できました。
ここが、とても重要なポイントです!
「今回はたまたまポッチの前後が一致していたから、調整するのは上下の高さだけで楽だったな」
「もしポッチの前後がズレていたら、どういう風に接続すればよかっただろう?」
と考えたときに、ふっと閃いたのです。
こんな具合の接続の仕方なら、前後にも上下にも、プレート0.5枚分ずつの微調整ができるのではないでしょうか?
斜めの接続を用いたときの難点は、ポッチ幅のズレが調整不能になることでした。
しかし、ブラケットをうまく使えば、プレート0.5枚ずつの単位でなら上下左右に調整が可能となり、強引に帳尻を合わせることが可能になるのではないか、というのが今回得られた発見です。
もちろん、厳密に計算をすればおそらく微細なズレは生じていると思われるため、
記事冒頭でもふれたとおり、細かなズレが気にならない人の場合のみ、役立てられる情報だとは思います。
とはいえ、この気づきを確信と自信へと育てることができれば、作れるものの幅が大きく広がるのではないか、
と個人的にはとても手応えを感じています。
せっかくの発見なので、この構造が役立てられる具体的なシチュエーションなどが思いついたら、またブログの方に紹介していきたいと思います。
さて、それではLAAT/iの制作過程に戻りましょうか。
こちらが、いま説明した時点まで組んだ時の実際の画像です。
制作時の苦労がいろいろと見てとれる画像ですね。f^ ^;
手持ちにあったパーツだけで組んでいるため、いま以上に色がちぐはぐで、
そんなちぐはぐの状態でさえ左半分しか組めていません。
さっき紹介した柱も、装飾を加える前の非常にシンプルなつくりなのがわかります。
続きです。
後方上部の側面パーツを貼りつけ、ダークグレーのプレートをより安定させました。
機体後部の上方に位置する部分は、先ほどの扉と同じく、
機体本体の制作に行き詰まった時間を利用して作りました。
最後に、後部ハッチの外枠を完成させ、機体後部と連結させて完成です。
この外枠部分の接続は全体の工程の中でもかなりの難所になることが予想されたため、できれば序盤の内に仕上げたかったのですが、
肝心のボールジョイントが不足しており、実際には最終盤まで放置してしまっていました。
「パーツまで大量に注文しておいて、最後の仕上げがうまくいかなかったらどうしよう」
という一抹の不安はあった一方で、
「斜めのビルドによって生じる細かなズレも、ブラケットによる微調整でおおよそカバーできる」
ということを学習した後だったため、結果的にはこの順番でよかったのかもしれません。
もし仮に側面スタッドブロックで接続できなかったとしても、ブラケットで前後上下に微調整を行えば、
接続できるポイントはきっと見つかるだろうな、とだいぶ楽観的に取り組むことができました。^ ^
というか逆に、計算でもってこの部分の接続の仕方を導き出そうとしていた場合、文系の自分には絶対に完成させることはできなかったと思います。
二次元の斜めですら手に負えないのに、三次元の斜めの長さを計算するなんて完全なる能力の範囲外です。f^ ^;
ここまで組んでしまえば、後は簡単です。
機体前方下部(ライムグリーンの部分)や翼などは、後からいくらでも作り直せる枝葉の部分です。
…というか、実際にまだ完成してないですしね。f^ ^;
これからゆっくり時間をかけて仕上げていこうと思います。
以上、飛ばし飛ばしではありましたが、LAAT/iの構造解説でした!
今回のビルドで、ブラケットパーツにはさらなる可能性が眠っているということを再確認することができました。
とはいえ、画像で見ているだけでは、「結局、“斜めのビルド”問題の完全な解決にも根本的な解決にもなっていないんじゃないの?」
と思ってしまうかもしれません。
正統派のビルドを志す人にとっては、肩透かしというか期待外れの記事に思えてしまったかも…。
そんな人はぜひ一度、ブラケットによる微調整を試してみてください。
私自身、細かな誤差やズレはなるべく自分のビルドから排除してきた人間です。
今回使った接続は、そんな人間でも「これなら使ってもいいかも」と思える程度には、無理のない接続になっています。
今回のビルドで再確認できたことは他にもあります。
ずばり“頭で考えるよりも、手を動かした方が早い”ということです。
正直、私は頭を使う作業があまり好きではありません。
細かい計算も、昔は割と好きな方だったのに、年を追うごとに面倒くさくなっていきます…。
今回、自分自身の制作の過程を振り返ってみて改めて思ったのですが、
毎度のことながらとんでもないところをスタート地点にして作り始めるし、
一ヵ所作ったと思ったら次は全く関係のないところを作り始めるし、
基本的に行き当たりばったりだし、
計画性もなく、集中力もなく、頭の中がとっ散らかった性格がそのままビルドにも反映されているように感じます。f^ ^;
もし“頭のいいビルド”を志すのであれば、まずはじめに全体の大きさを規定したうえで各部の大きさを割り出し、
その後出来得る範囲でディティールを凝らす、というのが定石だと思います。
それが理系的な作り方というか、論理的な作り方と呼ぶべきものです。
私も以前はそういう作り方を身につけようと思った時期があったものの、
やはり性格に合わずに断念しました。
とはいえ、もし今回のビルドを論理的なアプローチで作ろうと試みていたとしたら、
骨組みを設計する時点でものすごく大きな壁にぶち当たって断念していたかもしれません。
そう考えると、いい加減な人間にはいい加減な人間なりの戦い方があり、武器があるとも考えられる…というのは良いように言い過ぎでしょうか?
頭を使う作業が苦手な人にとっては、頭を使わない組み方の方が却って合理的なのかもしれません。f^ ^;
論理的な作り方に憧れ、それができないことに負い目を感じていた時期もありましたが、
自分に合ったやり方を続けているうちに、行き当たりばったりでものを作る才能には磨きがかかったような気がします。
レゴに正解がないように、組み方やアプローチにも正解はないものなのかもしれませんね。^ ^
同じように、今回の記事が役に立つと感じた方もいれば、そうでない方もいるでしょう。
数は少ないかもしれませんが、今回の記事が同好の士にとって少しでも役立てられるものであれば幸いです。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回はまた別のオリジナルビルドの紹介です。