こいつらは野良猫である。
名前など知らない。
神田から日本橋へ中央通りが抜ける。
その脇を入ると、
路地沿いに小さなビルが立ち並ぶ。
さらに脇道を入っていくと、
こいつらはいる。
大きな車は入ってこない、
人通りもあまりない。
路地と路地、ビルとビル。
その隙間を走り回る。
天気が良ければ日向でゴロゴロ。
天気が悪けりゃ軒下でゴロゴロ。
気が向いたら散歩する。
それが、こいつらの仕事。
こいつらの縄張りに入ると、
ピュッと足元を駆け抜けていく。
こちらにチラッと視線を向けるが、
ツンとそっぽを向き走り去る。
食い物には困らない。
人間どもが用意してくれる。
ご馳走…とまではいかないけど。
誇り高き、都会の野良猫。
いまじゃ立派な地域猫。
猫になりたい。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
m(__)m