チェホフ最晩年の作品に「桜の園」という戯曲がありますが、
(破産寸前のロシア貴族の舞台劇。桜に囲まれた領地を売るしかなくなり、その窮状を理解出来ない家族を東山千恵子さんが見事に演じた)
作中の桜は、
多分、日本のソメイヨシノのような里桜ではなくて、
サクランボがなる桜桃の花だろうと思われます。
サクランボの花は真っ白な一重咲きで、
花盛りの時は清楚な白い花と瑞々しい緑の葉が作る景色は、
誰だって平和で幸せな気持ちにさせられるのではないかな。

大人になるにつれて「桜の園」という言葉は、
わたしの中で一人歩きして、
やがて憧憬の景色となり、
1本ずつ桜を増やして庭を桜の園にしようという夢に発展。

勿論、福島の花見山のようなサイズには程遠い、
ミニチュア桜の園。。。
でも、気の遠くなるような時間をかけて
服を買う代わりに苗木を買い、
育てる過程を楽しみながら、
60年後、小さな桜の園に。


我が家の桜物語は

染井吉野(大木になり隣家の迷惑になりそうでやむなく伐採)

おかめ桜(同上)

陽光桜、

仙台枝垂れ桜、

大島桜、

牡丹桜、

の順で

今日あたりは関山八重桜が花盛りです。


昨日は突風が吹き

艶麗な八重桜が花吹雪。

ああ、残念!



15年前だったか、

中輪菊咲きの珍しい桜に遭遇しました。

タグには、江戸時代に流行した品種であるが、

その後絶滅したと思われていた。

近年、石川県のさる寺で発見され、

それを繁殖させて流通するようになった、

とあります。

それが↓

鵯(ヒヨドリ)桜でした。



どうですか?

まるで、オールドローズのような。。。

中心が濃いマゼンタで、それが外側に向かってぼかしが入り、

ため息が出そうにエレガント、

この桜は八重桜よりもっと遅咲きで

GWの頃が花盛りになります。


うちにお迎えして4年後に初めて花が咲いた時は

感動のあまり涙が出たほど。


お近くの方は、どうぞ見に来てくださいね。



↓左がヒヨドリ桜、

右は関山八重桜、

大きさは八重桜より小さめで、

コロンとした手鞠のように咲いています。



花のボリュームと発色においては

八重桜が圧倒的ですね。




今日は夫がプレゼントしてくれた

クリスタルボウルに浮かべてみました。



畑の縁には
もう一株、御衣黄(ギョイコウ)桜も咲いてきたようです。
できれば次回に紹介したいと思います。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。