先日、北海道で行われた栄養環境コーディネーター認定講座のj受講生の方から、「職場で、お昼を食べて眠くなり、3時にはお腹が空いておやつを食べる同僚は自律神経失調症ではないか?」というご質問を、担当講師が受けたそうです。皆さんはどう思われますか?

 

交感神経と副交感神経は、シーソーのように上がったり下がったりして体調を守る。

栄養環境コーディネーター認定講座テキストブックからの引用

 

自律神経は、作用が相反する2つの神経系、交感神経系と副交感神経系で構成されていて、身体中の器官や臓器は、その両方の神経系の強弱に合わせて働いたり休んだりしています。

 

自律神経失調症とは、ストレスなどが原因で、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態のことで、眠れない、疲れがとれない、頭痛、動機や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷え、情緒不安定、イライラや不安感、うつなどの症状がでます。

 

同僚さんの症状とはちょっと違いますね。

 

交感神経と副交感神経はオンオフスイッチではなく、シーソーのようにアナログで動きます。日常生活に置き換えてみましょう。

 

交感神経はストレスの大きさによって反応の大きさが違う。

栄養環境コーディネーター認定講座テキストブックからの引用

 

例えばダッシュでバスを100m追いかけて飛び乗る状況を想像してみてください。

 

心臓はバクバク、息が上がり、食欲なんて吹っ飛んでいるでしょう?それは、交感神経が大きく反応して心拍数が上昇、筋肉への血流が増える一方、副交感神経が大きく下がって、消化吸収機能を低下させて戦闘体制を作るからです。

 

逆に、デスクでいつも通りのルーチンワークをして、時々立ち上がって同僚や上司と会話する状況を思い浮かべてください。

 

心拍数も呼吸も正常、汗が噴き出ることもないですよね。それは、交感神経が眠っている時よりは上昇しているものの、副交感神経もあまり下がらず、バランスを保っているからです。脳を含むすべての臓器が順調に働くことができる、つまり一般的な職場環境は戦闘体制ではありません

 

もちろん職場によって戦闘体制になることもあります。

 

例えば新型コロナの重症患者さんが次々と運び込まれる病院や、土砂災害の救助活動をする現場で働く人々は、心拍数も血圧も上がって、食事をすることを忘れてしまうこともあるでしょう。交感神経の興奮が続いているからですが、定期的にしっかり休めないと慢性ストレスの原因になります。

 

では、いよいよ同僚さんの場合の説明です。

 

「お昼を食べて眠くなり、3時にはお腹が空いておやつを食べる」は典型的な「血糖値スパイク」の症状です。血糖値スパイクとは、普段は正常な血糖値なのに、食後だけいきなり血糖値が急上昇する現象です。

 

食後に血糖値スパイクが起きると、膵臓からインスリンが大量に分泌されて血糖値を下げるために忙しく働きます。一方、脳内では常にある程度のインスリンが存在して脳機能をサポートしています。ところがインスリン分泌量には限りがあるので、血糖値スパイクが起きている間は、一時的に脳内のインスリンが欠乏するため、ぼーっとしたり、眠くなったりします。

 

血糖値スパイクでインスリンが大量に分泌されると、トリプトファンというアミノ酸が脳に送られて、気持ちを穏やかにするセロトニンと眠気を誘うメラトニンを上昇させるという報告もあります。

 

同僚さんは早食い、またはご飯やパンが主体のお弁当を食べているのではないでしょうか?消化は口の中から始まるのですが、よく噛まないで食べる傾向があると、胃に大量の食物が送り込まれるだけではなく、消化に余分な労力がかかります。そのため血流が消化器官により長く集中することも関わっているかもしれません。

 

 

同僚さんに血糖値スパイクが起こっている証拠に、すぐ空腹になっておやつを食べてますね。これは食後のインスリンの急激な上昇によって血糖値が一時的にやや低めになることから脳が空腹と勘違いして、空腹サインを出すからです。

 

もしこの受講生さんが、同僚さんにアドバイスするとしたら、①よく噛んでゆっくり食べる、②野菜を多くするか、お弁当をお昼と3時に分けて食べる、③食後屋外に出て散歩するなどです。同僚さんの自律神経は正常だと思います。その証拠に、食後ゆったりとした気分になって(副交感神経が活発化して)うとうとしているのですから。

 

私が代表講師を務める栄養環境コーディネーター認定講座では、このように自律神経やストレスのことも学べます。なぜ?と思われるかもしれませんが、食べるものや、食べるタイミングが脳機能に直接影響するからです。というのは、「腸は第2の脳」と呼ばれるほど、たくさんの神経細胞が集まっているからです。

 

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