イギリスのワクチン接種完了率(2回接種を完了した人)は世界で最も高い水準の63%ですが、ここにきて感染者が増加傾向にあります。その原因が、ワクチンを受けない人の存在と、インド型の新型コロナの変異株、デルタの存在です。


イギリスの感染者数(黒ライン)と死亡数(赤ライン)の推移

5月下旬から感染者数が急増しているのがわかる(New York Timesからの引用)


イギリスでは、5月29日までの週に新たに感染した人の推計は約10万人と、前週の6万人から大きく増加。これは、全人口の660人に1人が感染した計算になります。デルタは、これまでのウイルスよりはるかに感染力が高く、ワクチンは効果があるものの、完全に感染を抑えることができません。それでも死者が増えていないのは、ワクチンのおかげで、感染しても重症化しないからと考えられています。

 

感染者数が順調に減ってきたアメリカでも、同じ傾向にあります。アメリカのワクチン接種完了率はイギリスよりずっと低い44%。今や12歳以上の人は誰でも受けられるのに、ありえない非科学的なデマに惑わされた人々がワクチンを拒否続けているため接種率が上がりません。そこにデルタが現れたことで感染者が増えてきたのです。

 

アメリカの感染者数は順調に減ってきたが、今や下げ止まりに来ている。

デルタとワクチンを受けない人のせいです。(New York Timesからの引用)

 

 

今のところ感染の10%がデルタですが、その数は増え、最も優勢になると予想されます。カリフォルニア大学サンフランシスコ校のDr. Robert Wachterは、「秋頃には、デルタの蔓延と、普通の生活に戻ったと言う開放感から、ワクチン接種が行き渡らない地域でクラスターが起こり、医療が逼迫する」とTwitterで発信しています。

 

デルタの感染力は、従来種の1.78倍と予測されています。

 

NHKによると、日本でもデルタ株に感染した人が34人報告され、今月6日までの1週間に東京都の研究機関が行ったスクリーニング検査では、デルタ株が3割あまりにのぼっています。

 

日本のワクチン接種完了率は約5%、イギリスの12分の1です。その大半は高齢者と医療従事者です。コンビニやホテル、公共交通機関で働く人、タクシー運転手、そしてボランティアの人々の一体何割がワクチン接種を完了しているでしょうか?もしこれらの人々が今日接種を開始しても効力が現れるのは、5−6週間後。その前にオリンピック開催のため大量の外国人が続々と入国するのです。どの人がワクチンを完了しているかどうかなんて見た目では一切わかりません。以前のブログでも書きましたがこの大半の人々はオリンピック村以外のホテルで生活をするのです。レストランで食事をし、コンビニで買い物をし、タクシーか電車、バスで移動するでしょう。もちろん排泄もするし、食べ終わった容器をゴミ箱に捨てます。

 

どうやって身を守るか?

 

できるだけ早く、できるだけ多くの人がワクチンを摂取する以外方法はありません。

 

ファイザーやモデルナのmRNAワクチンは2回摂取を完了してから2週間経つと、変異なしと、現在日本で優勢なイギリス株で95%の確率で効き目のある抗体を作る、つまり感染を予防します。南アフリカ株ではそれぞれ86%、60%に下がり、インド株には効き目があることは研究室では認められるものの、有効性はまだわかりませんが、症状の悪化を食い止める免疫を強化することがわかっている、つまりはワクチンを完了して2週間経っているとコロナで死ぬことはないのです。

 

ファイザーやモデルナのmRNAワクチンは、従来型のワクチンと全く違うテクノロジーで、とてもとても安全です。周囲でも、自然派やスピリチュアル、あるいはデマを本気で信じる、ワクチン摂取拒否をする人がいます。とても悲しい現実です。

 

ワクチンに入っているRNAは、配列が違うだけで私たちの体にあるRNAと同じものでできていて、しかもウイルスの突起情報だけなので、とても短くて少量です。作られるのは突起部分だけなので、感染症は起こりません。RNA自体は短命なので突起部分のタンパク質をちょこっと作って、分解されてすぐに消滅します。人間のゲノムに侵入することはありません。だから抗体を作るために2回摂取する必要があるのです。

 

一方のウイルス感染で入ってくるRNAはウイルスまるまる1個分ですから、細胞内でウイルスのコピーを大量生産し、そのコピーを別の細胞に送って感染を拡大します。いま蔓延するイギリス株とこれから増えるデルタ株に感染すると、若い人でも子供でも重症化します。さらに恐ろしいことに、コロナウイルス感染者の中に、回復後もずっとPCR検査で陽性になり続ける人が出てきたのです。

 

先月発表された論文で、ウイルスが、人間細胞に存在するレトロトランスポゾン内に存在する逆転写酵素を利用して、ウイルスのRNAをDNAに転写してゲノムに入れ込む可能性が証明されました。感染するとあなたの体内で「ヒト・ウイルスキメラ遺伝子」が作られる可能性が表されたのです。

 

もちろんそんな遺伝子はタンパク質を作れないので何も悪さをしないのですが、たった一回の感染で自分の、あるいは子供の遺伝子を組み替えてしまう可能性があることを知ってください。でもそのリスクは、ファイザーやモデルナのmRNAワクチン接種で回避できるのです。

 

もしあなたが自然派やスピリチュアル、あるいは人に惑わされたワクチン摂取拒否者でも、子供に順番が回ってきたら勝手に拒絶しないでください。コロナワクチンの拒絶は、子供の命を危険にさらす、虐待行為と同じです。悩んでしまったら、小児科医、アレルギー専門医、感染症専門医に相談するか、それらの専門家が運営するこびナビを利用することをお勧めします。

 

日本でこれ以上感染が広がらないことを心から祈っています。