マスコミは煽る傾向があります。聞き伝えで書かれた「正しくない情報」に惑わされないために、今学術的にわかっていること、期待されることをまとめました。元データ先と学術文献(英語)へのリンクをつけましたので興味のある方は利用してください。

 

上の図はNew York Times掲載のグラフを日本語に訳したものです。縦軸は対数表示で見る致死率で、横軸はどのぐらい感染力が強いかを患者1人から感染して発症する平均人数で表しています。新型コロナウイルスの感染力は現在の感染状況からの推測です。

 

過去の統計データによると、致死率10%以上の感染症は鳥インフル、エボラ熱、天然痘、サーズ、マーズ、感染力が圧倒的に高いのははしかです。新型コロナウイルス感染による致死率は3%以下(中国以外の平均は1.5%)ですが、感染力はインフルエンザよりも高いウイルスと言えます。

 

感染拡大の原因は無症状の感染者が大きな要因として注目を集めています。横浜港のクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号から感染者を受け入れた藤田医科大学岡崎医療センターの報告によると、無症状の感染陽性90人が無症状のままで2回陰性になるまで3日から20日かかりました。

 

クルーズ船に乗船して話題になった神戸大学感染症内科の岩田健太郎教授によると、この新型ウイルスは、感染者の8割が自然治癒して2割が重症化すると書かれています。

 

つまり、検査を受けられない現状では、健康な感染者が「自分は大丈夫」という過信からウイルスを撒き散らす可能性が大変大きいので(検査を受けていない)全ての人が他人との接触を避けるべきなのです

 

新型コロナウイルスの感染経路

3月12日に発表された論文によると、新型コロナウイルスの室内での生存時間は、①プラスティックやステンレスの上で2−3日まで、②ダンボール上で24時間まで、③銅の上で4時間まで、④噴霧器で非常に細かい霧にして噴霧した場合3時間生存、半減期は1.1-1.2時間でした。

 

現状では空気感染しません

SNSなどで空気感染を示唆するものもあるようですが、現状ではウイルスは唾液などの重い媒体に含まれるため空気感染力はありません。実験は将来の可能性を視野に入れて現実的ではない「霧状」にしたため3時間生存したのです。注意すべきはドアノブや壁、エレベーターのボタン、手すりなどのプラスティックやステンレスでできた固い表面に付着した感染者の唾液であって空気ではありません。

 

野外での運動

屋外では太陽光(UV)でウイルスはすぐに死滅するため、野外でのランやサイクリングは安全です(CDC)。ヨーロッパ諸国でプロサイクリストでさえトレーニングを禁止され、オリンピックの選考会が延期される背景には、病院のベッド不足があります。スポーツの怪我で病院に来られては困る!というわけです。

 

私の住むサンディエゴでは在宅勤務、臨時休校、レストラン店内での飲食禁止になる反面、より多くの人たちが野外で汗を流しています。30−40分の有酸素運動は感染症予防に効果的です(CDC)。ちなみにマスクして運動する人は見かけません。

 

本物の専門家の意見

アメリカで最も信頼できるウイルスの専門家、Dr. Peter Hotez M.D., Ph.D.(Dean for the National School of Tropical Medicine Baylor College of Medicine)のインタビューからの情報を以下にまとめました。

 

新型コロナウイルスのまとめ

  1. ウイルスの正式名称はSARS-CoV-2 、感染症は COVID-19(コービット19)
  2. 感染力は1人から2.24-3.58人(上グラフ)で無症状の感染者により広がる
  3. 重症化する可能性があり致死率は0.6-3.4%(インフルエンザの4-20倍)
  4. 高齢者の致死率は10-20%.
  5. アメリカではここ2週間が勝負

 

危険性に関して

重症化する可能性がある人は、70歳位以上の高齢者、糖尿病患者、心疾患または高血圧の持病のある人、免疫抑制剤を使っている人と医療関係者です。特に医療関係者は若くても重症化したケースが見られ流ため注意が必要です。一方、感染しても症状が出ないまたは軽症なのは子供とティーンエイジャーです。臨時休校は、無症状の子供達がウイルスの運び屋となる可能性を低くするので感染拡大防止にとても有効です。

 

糞便による感染

感染拡大のもう一つの要因は、ノロウイルスと同様に糞便による感染です。クルーズ船ではバイキング料理、保育所や幼稚園では子供達が感染拡大に貢献したと考えられます。

 

ワクチンに関して

安全性や効果の確認に時間をかける必要があるためワクチンが承認されるまでには2−3年かかると考えられます。というのは、過去の感染症でワクチンを打つことで逆に症状が悪化した例があるからです。

 

最も現実的な治療法は感染者の血清で作る抗体です。臨床試験で重症患者の命を取り止めたことから、可能性が期待されています。

 

既存の処方薬で可能性があるものがいくつかあるようです。

 

降圧剤利用者のリスク

このウイルスは降圧剤のターゲットと同じ受容体を介して侵入します。当初は降圧剤が感染予防になるのではないかと考えられましたが、高血圧で降圧剤を服用中の人の感染確率が高かったことから降圧剤によってウイルスが侵入しやすくなるのではないかと考えられています。

 

家庭内感染を防ぐ(私見です)

ドアノブや手すりの消毒の他に、私のオススメはトイレにハンドタオルを置くことです。一回ごとに変える、個別に使うなどの行為で手指からの感染が減らせます。またこのように「見える化」することで個人の意識も高まるのではないでしょうか?

 

洗濯物は増えますが・・・