さて質問です。自分はデブじゃないと思ってますか?体重だけで太っているかどうかを判断していませんか?

 


日本肥満学会では、肥満度の指標であるBMI(Body Mass Index)が18.5以上25.0未満を普通体重とし、それ以下を低体重、それ以上を肥満としています (BMIは、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で計算できます)。例えば、170cmの人の体重が53kgから72kgの範囲だと標準体重、それ以上だと太っている、ということになります。でも、この「体重が重い=太っている」という考え方に大きな落とし穴があります。

肥満とはどういうことか?を説明するために、ここに架空の男性3人、A太さん、B夫さん、C助さんに登場してもらいます。3人とも身長170cmの25歳で、体重はA太さんは75kg、B夫さんは90kg、C助さんは53kgです。BMIで考えると、C助さんが健康体でA太さんとB夫さんは肥満体ということになりますが果たしてそうでしょうか?
 

実は、A太さんはボディービルダーで体脂肪が極端に低く肥満体からかけ離れたマッチョな体型です。B夫さんは柔道家です。持久力の必要なスポーツですから皮下脂肪が付いていますが、その下には筋肉が大きく発達していて内臓脂肪が低い機能的な身体です。

 

 

では、BMIでは健康体のC助さんはどうでしょうか?

 

C助さんは残業続きの疲れた会社員です。運動する暇もなく睡眠不足のため筋肉が減り内臓脂肪が溜まってしまった典型的な“かくれ肥満”でした。つまり、BMIでは健康と考えられたC助さんが、実は高血圧、循環器疾患、糖尿病などのリスクが高い危険な肥満体だったのです。

極端な例だと思われたかもしれませんが、多くの働く世代がこの状態に陥っています。以前のブログにも書きましたが、日本人を含むアジア人は皮下脂肪が少ないために内臓脂肪が増えやすいのです。内臓脂肪は皮下脂肪と違ってとってもアクティブ、血管の数が多いので絶えず脂肪酸や炎症作用、血管収縮作用のある物質を分泌して心疾患や高血圧、糖尿病のリスクを上げています 。

 

もしあなたが、体重ばかりを気にして「〇〇ダイエット」を繰り返しているなら要注意です。ダイエットのたびに筋肉が痩せ、リバウンドのたびに皮下脂肪とともに内臓脂肪が増えます。

 

キーポイントは、体重ではなく筋肉と体脂肪の比率、そして内臓脂肪の量です。筋肉が多いと骨密度も保たれ、免疫機能も高まります。食事が良くても運動しなければ、40歳を過ぎる頃から毎年筋肉が減り続けて70歳には筋肉の半分が喪失、BMIが正常でも骨粗鬆症で脂肪だらけの身体が出来上がります。そうなると待っているのは糖尿病、認知症、骨折、そして介護なしでは生きられない人生です。

筋肉は何歳になっても増やすことができます。階段を上がる、1駅余分に歩くといったちょっとした努力からはじめて、健康寿命を延長しましょう。