『建築物の移動』 | SARAKI'S 1.618 BLOG

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画家/エッセイスト※かやおりさらきの日常




散歩がてらな徒歩圏に…
大手スーパーがある。

ソイツを取り巻くのはドラッグ・ストア…
ホーム・センターやらやら。

“ テーマパークや遊園地は、遠いし高いし… ”

コドモは遊べるし…
ごロータイはホッコリ出来る。

そして、亭主いぬ間にココロの洗濯…
いや――ストレス発散を目論める、
近場でお手軽な奥方連の社交ゾーン、とも。

とある日。

魑魅魍魎溢れる、あーぃや失礼――
ママチャリ溢れる社交ゾーンへ、
いざ買い出し行脚。

“ …マヨネーズと、えーと、何だったっけ? ”

目的地はもう射程距離…
大通り交差点を渡れば、ロック・オン。

歩行者用信号は、青の点滅。

余談だが、この点滅への対応如何で…
この世は2派に分かれようねぇ?

即ち…
〈 走り込む派 〉と〈 次を待つ派 〉。

あ、もう1派…
〈 走り込むが途中でヤメる派 〉。

ふふ、ジブンは早々の ―― 次待ち派。

信号ごときに動きを制御されるなど…
まっぴらぴらのぴら、だもの。

加えて、脳内計画外の動きをした時に限って…
何か落っことしたりするからねぇ。

ナニゴトも、境い目は儚く美しいもの…
しかしてそのグラデーションは、
実に危うい色に染まっている。

…とゆーわけで交差点角に立つ、
ポツネン青待ちオトコ ―― かやおり。

“ ん!? ”

右目の端に引っ掛る…
馴染みの景色に何やらの違和感!?

ほぼ正方形のアスファルト舗装地に…
緑とオレンジ、赤ストライプのコンビニが、
パスタ屋と並んで建っているいつもの場所。

何やらの違和感は、ははーん…
パスタ屋がなくなっていたこと、か!?

ああ、知らぬ間に街はうつろうやに。

…とかゆー、平々凡々な理由ではなく。

なんと!

件のコンビニが建物もそのままに…
ごっそり平行移動していたのである!

元・パスタ屋区画にゃコンビニが…
元・コンビニ区画にゃ、
白線眩しきPゾーンと化していたわけ。

ほへー!?

建築物をそのまま移動する技術って…
どんなだろ?

ジブンにゃ、未知の世界さね。

基礎部分に乗っかる建物部分を吊り上げて…
四隅にコロコロ車輪を滑り込ませた、
巨大キャリー・バッグ作戦とか?

祇園祭、鉾の辻回しが如く…
割った竹――いや、丸太の上をゴロゴロと、
巨大コンベヤー作戦――みたいな?

興味津々な割に…
わが身にゃ、あまりに疎遠な建築物移動技術。

そぃやかつて、JR二条駅の駅舎が…
一夜にしてどこぞへ持ってかれたことがある。

軍艦が瞬間移動したフィラデルフィア実験…
…でもあるまいが。

とりま、一夜にして ―― だった。

今、佳き時代の旅愁誘うその二条駅舎は…
鉄道博物館の敷地内に、
往時の趣をまとったまま佇む。

新幹線の車両は深夜のうちに…
一般公道を巨大トレーラーで移動するとか。

駅舎もそのまま、公道を運ばれた?

いや、ポッドAで細胞分解されたヒトが…
ポッドBで再構築されるテレポートSFモノ、
映画『 ザ・フライ 』の如く…。

完全解体してポータブル化…
移動先で再建築する移築作戦、だったかも?

それでも、手間ヒマ考えりゃスゴい技術だ。

この前、わが人生8度目ほどになるのか…
…の、明治村訪問を敢行。

鉄道で財を成したオトコが…
失われゆくニッポンの遺産を移築保存した、
貴重な野外建築物博物館。

箱庭プラモのような…
薄っぺらぺら~な現代建築とは一線を画す、
明治辺りの温かい名建築をば。

全国津々浦々から持ってきた…
ホンモノばかりが、そこかしこ。

石造りあり、鉄骨、レンガ造りあり。

それぞれの素材に合った…
効率的移築方法があるのだろうが。

60を超える建築物…
気が遠くなるほどの地道な作業――
だったと思うとアタマが下がる。

放っておけば失われゆく近代名建築。

それらの移築作業は…
ノアが動物ひとツガイづつ方舟に移動させ、
大洪水の粛清から救い出したのに似ている。

初代帝国ホテル。

初見参の明治村で、ひと目惚れした名建築。

以来、建築家も芸術家なのだな――
と思うようになった。

移築されずに壊されていたなら…
建築物の本当の美しさを知らぬ日々を、
今頃送っていたことだろう。

近代名建築の移築保存。

鉄道で財を成したオトコは…
実に素晴らしい生き金を使ったな?と、
羨ましい限り。

建築物の移動技術。

ジブンも、お望みとあらば…
この地球を移動させてみせますぞ!

あ、地球サイズの棒切れと…
支点さえご用意していただければ、ですがね?

…ふふ、アルキメデス ―― 談。

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